2018年8月2日、東京医科大学の入学試験で女性受験者の点数を一律減点していたことが報道され、翌日東京医科大学正門前で抗議行動を起こした作家の北原みのり氏はじめ有志は、その後ツイッターなどで呼びかけ「東京医大等入試差別問題当事者と支援者の会」(以下「会」)を立ち上げた。
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現在会には、東京医科大学や、他大学医学部の受験経験者が110名集まっている。会は当事者と面談を重ねながら、東京医科大学への質問状や文部科学省への要望書・質問状送付、東京医科大学第三者委員会へ要望書送付をおこなってきた。
これらの問題に関連して、10月23日、衆議院第一議員会館にて「東京医大等入試差別問題当事者と支援者の会」による記者会見がひらかれ、IWJで中継をおこなった。
この場で、会に賛同した医学部受験当事者が初めて公の前で発言した。現在福島県立医科大学6年の竹口優三氏は、会に賛同した東京医科大学受験経験者の中で実名公表をする人は竹口氏以外いなかったことを明かし、いかに当事者が声をあげづらいテーマであるかを強調した。竹口氏は「東京医科大学には、後から入った人でも活躍できること、多浪・再受験生にも能力や役割もあるというダイバーシティの大切さを認めていただきたかった」と発言した。
筑波大学医学群6年山本結氏と、東京慈恵会医科大学4年の姫岩翔子氏はMSAIDs(エムセイズ)という貧困と不平等に反対する医療系学生グループで活動をしており、東京医科大学の受験経験はないが、医学部受験における女性・年齢差別はおかしいという思いから会に賛同し記者会見に同席した。
山本氏は「女性は働き続けることができないからと差別することは間違っている。労働環境を整える対策もせず、大学入試の学生に解決策を求めることはおかしい」と訴えた。姫岩氏は、予備校に通っていた時、「女性や多浪は厳しいから他の学部に変わったほうがいい」と指導があったことを明かした。
会の共同代表である北原みのり氏は、会に「来年度の入試が正当におこなわれるのか、今の段階で確証が欲しい」という強い要望が寄せられていることを述べた。
弁護団の河合弘之弁護士は、東京医科大学に受験生の点数の開示と、不正がなければ合格していた学生がいたのかを明示させることが全てのスタートラインとして、その後「各被害者の被害の救済とともに、医学部入学試験の正義を担保する制度的な保証を求めていく闘いをする必要がある」と今後の方針を述べた。