8月27日におこなわれた東京電力本社定例記者会見では、8月24日に中央労働委員会で和解が成立した、賃金未払い労働紛争についての報道を受けて、記者達の質問が集中した。
河北新報によると、福島第一原子力発電所で廃炉作業に従事した元作業員の男性が、危険手当が支給されなかったとして、東電や元請け、下請け会社など計五社との団体交渉を求めた労働紛争で、27日和解が成立した、とした。
- 「福島第1原発」廃炉作業で労働紛争が和解 危険手当の増額約束 (河北新報、2018年08月25日)
「度重なる賃金未払いは多重下請けが原因なのではないか」、との質問に東電は、そういうことがないように「元受けさんにお願いする」「元受けさんから必要な人材を集めていただいている」と、発注主としての自覚と責任が全く感じられない回答に終始した。
報道によれば他の元受け下請け4社が和解に応じ、危険手当分の賃金増額に取り組むとしたにもかかわらず、東電だけが直接の雇用関係にないとして和解に応じなかった点を追及されると、「当社に対する申立ては取り下げられております」と、極めて傲慢な態度で責任を放棄した。
8月30・31日の2日間、福島2会場、東京1会場で行われるトリチウム汚染水の海洋放出に関する公聴会について、東京電力は出席するか、またどのような立場かについて問われ、「説明はエネ庁(資源エネルギー庁)さんから」「小委員会には以前からオブザーバーで参加していたので今回も同じ立場」と返答。「公聴会で東電が答えることはあるか」、との問いには「振られれば答える」と、あくまで国の判断を待つ姿勢に徹し、責任回避に終始した。