8月末には公聴会、11月には3号機から使用済み核燃料を取り出す予定の重要な時期に差し掛かっている東京電力。
8月20日に本社で定例の記者会見が行われ、夏季休暇で会見がおこなわれなかった1週間の間に、福島第一原子力発電所内で3つの事故が発生していたことが明らかになった。
8月12日、1号機原子炉建屋の南側のサブドレンNo.206ピットの水位計2本がずれ落ちて水位計偏差大の警報が発生、原子力規制委員会に報告義務がある「運転上の制限の逸脱」を宣言。
8月15日、5月にも制御盤トラブルで故障した米国製クレーンが警報を発生して停止した。原因を調査するも、警報の記号が解明できず未だ調査中。クレーンの使用状況が定格荷重オーバーで労働基準法違反の疑いがあるとして労働基準監督署に報告書を提出。翌8月16日には既設多核種除去設備においてセシウム137等を含む汚染水約12リットルが漏洩、原因は調査中とした。
公聴会を10日後に控え、国から海洋放出を強く示唆されているトリチウム汚染水について再三「トリチウムだけを含む」としてきたが、ヨウ素など放射性物質が含まれていることが報道され、真偽を追及された東電は「海洋放出は国の方針に従う」とひたすら繰り返し、除去されていない放射性物質については「ホームぺージで公開している」などと弁明。「同じような事を福島で言えるのか!?」と記者に激しく詰め寄られる一幕もあり波乱の会見となった。