2018年8月4日(土)群馬県高崎市Spectrumにて作家・本間龍氏の講演会「東京五輪と電通 そのつながりとは」が行われた。
冒頭では、ある大学にて80%が「東京五輪のボランティアに参加したい」と言っていた大学生が、本間氏の講義を聞いたあとは0%になったという話題からスタートした。
東京五輪ブラックボランティアではどういう人を募集しているのか?組織委員会のホームページを本間氏が解説したのだが、よく読み解くと驚くべき内容が募集要項に記載されている。なんと「児童・生徒」の欄には「小学生」とはっきり記載されている。
本間氏は「学校に人数を割り当てて、マラソンや聖火ランナーが走っている横で、旗を振っている子ども、あれがボランティアです。あそこに駆り出されるんです」「積極的に募集対象に小学生まで明記されているのに、満18歳以上とは記載されているが、『シニア』の記載がない。なぜか?熱中症で死んじゃうからですよ」熱中症で重篤になる危険度が高いのは、65歳以上だということを組織委員会は知っていて、責任回避したいがために記載しないと本間氏は語る。
そうした危険性がある真夏の灼熱の東京五輪に、小学生を駆り出そうとしているわけである。子供でも、当然、熱中症になりうる。自分自身の自発的な意志で参加の可否を判断するのが難しい小学生を「駆り出す」ことを「ボランティア」と呼べるだろうか。
スポンサー料は未公表だが本間氏の見立てでは、大会組織委員会の収入は総額4000億以上、スポンサー50社の窓口を独占している電通はそれの20%の800億円以上のマージンを得ているようだ。
招致委が提出した立候補ファイルでのスポンサー見込み金額は920億円だった。しかし、2018年4月現在の時点で集めたスポンサー料50社・4200億円、すでに4倍以上に達している。ボランティアを有償にすれば、10万人に日当1万円×20日間=200億円の経済効果になる。
本間氏は、国民の反発をまねかずいろんな美辞麗句を重ね、国民を無償で働かせるこの新たな搾取システムを「国家総動員体制」だと指摘する。