緊急事態条項について「改憲の論点になれば議論していく」って遅っ!―― 自民党は公約に緊急事態条項を掲げて選挙に臨み改憲も明言しているのに民進はまだ議論もしていない!?~民進党・大塚耕平代表記者会見 2017.11.21

記事公開日:2017.11.22取材地: テキスト動画
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(取材:川上正晃・文:岩上安身)

◆ヤバすぎる緊急事態条項特集はこちら!
※2017年11月24日、テキストを追加しました。

 「改憲の論点になれば議論していく」――。

 民進党・大塚耕平代表は2017年11月21日、東京都千代田区の民進党本部において行われた定例記者会見にて、緊急事態条項の問題についてIWJ記者が質問した際、このように回答した。

 「弊社代表岩上安身による小川敏夫参議院議員へのインタビューのなかで、『民進党内で希望の党寄りの議員と立憲民主党寄りの議員で割れている』との発言があった。こうした状況にあって民進党は緊急事態条項に賛成するのか、反対するのか、党内で合意はできているのか。また、大塚代表ご自身の見解をおうかがいしたい」と質問をぶつけた。

 これに対し大塚代表は、「緊急事態条項の存在は理解している」と前置きしながらも、「改憲の論点になれば議論していく」とのみ回答した。これには、正直、驚かざるをえなかった。「論点になれば」というが、自民党はこの10月に行われた総選挙で公約として改憲を掲げ、その4つの項目のひとつとして、はっきりと「緊急事態対応」を示して、その上で改憲発議が可能な3分の2の議席を自公だけで確保したのだ。

 その上で、選挙直後から安倍総理が改憲に意欲を見せ、来年の通常国会には改憲発議を行うというスケジュールまで明らかにされている。この時点において、「論点になれば議論してゆく」とは、どういうことなのだろうか?議論はとっくにされていなければならないはずだ。この回答は、分裂後の民進党内では党内の勢力バランスが変わって見解の統一がはかれていない、という意味だと仮にしても、改憲発議のスケジュールまで明示されているのだから、「ただちに党内で議論して、党としての見解を取りまとめる」など、適切な回答は他にあるはずではないだろうか。

 また、大塚代表ご自身の見解もおたずねしているのに、その点については完全にスルーだった。これも理解に苦しむ。緊急事態条項は基本的人権を停止し、独裁を可能にする非常に危険な条項だ。こんな重要なテーマに対し、党の代表として自分の言葉で質問に答えることができない。あるいは答えようとしない。こんな無責任な姿勢で政党の代表が務まるのだろうか。

 さらに、大塚代表は質問に対する回答のなかで、「国民の皆さんの生命と財産の安全、そして国土を守るのは当たり前の政治の責務であり、その責務の範囲内でできることも多々ある」とも述べている。

 「その責務の範囲内でできることも多々ある」というが、何があるのか?「できることも多々ある」と答えているのだから、具体的にできることをいくつか明示することもできたはずだ。緊急事態条項がいかに危険なものであるか、まったく理解していないのではないかとうたがってしまう。

■ハイライト

  • 日時 2017年11月21日(火) 12:00頃~
  • 場所 民進党本部(東京都千代田区)

「原発が狙われないように『努める』」とはいったい何をするのか? 意味不明の回答にとどめ、具体的な考えを示さない大塚代表。

 もうひとつの質問は、北朝鮮有事に関しての質問である。

「北朝鮮が原発を攻撃する危険がある」ことを踏まえ、「原発と安全保障の問題について大塚代表自身の見解」を質問した。

 これに対して大塚代表は珍しく言葉をつまらせながら、「ゆゆしき事態である」とは述べつつも、「原発が狙われないように努める」という意味不明の回答にとどまり、具体的な考えはいっさい示さなかった。

 原発が狙われないように努める?どういう意味なのだろうか?

 原発を北朝鮮のミサイルの標的から外すべく、ただちに全54基どこかへ隠すなどということはできないし、「狙わないでくれ」と北朝鮮にお願いしても、相手は米軍が先制攻撃を行い、日本の自衛隊がその攻撃に加担すれば死に物狂いで反撃し、「お願い」を聞き入れることなく、ミサイルを撃ち込んでくるだろう。

 いったい何をどう「務める」のだろうか?まさか、政党の代表として自ら立候補してその座についた方が、しかも元日銀マンで頭脳明晰と評判の高い大塚氏が、こうした質問が出るまで自分の頭で考えていなかった、などということはないと信じたいところだが、確信はもてない。

アメリカにとって日本は対北朝鮮の「鉄砲玉」! そして北朝鮮は、日本の原発を攻撃対象として明言している! 有事が起これば実際に被害を受けるのは日本!!

 アメリカのトランプ大統領は、21日、9年ぶりに北朝鮮をテロ支援国家に再指定した。さらに同日、安倍総理がトランプ大統領による北朝鮮テロ支援国家再指定を支持する考えを示した。

 アメリカが北朝鮮との戦争を始めたところで、実際に被害を受けるのは日本だ。トランプ大統領は日本を対北朝鮮の「鉄砲玉」としか考えていないのは明らかであるにもかかわらず、安倍総理はアメリカの犬として追従路線を突き進んでいる。その上、北朝鮮は日本の原発を攻撃対象として明言しているのだ。こうした状況を踏まえれば、安全保障上、原発はかつてないほどの危険性を日本にもたらしていると考えるべきではないのか?

 緊急事態条項も、原発が抱える安全保障上の問題も、いま最も重要な問題であると断言できる。政治家がこのような問題に対して具体的な対策を示せないことこそが、「ゆゆしき事態」というべきだろう。

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  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    緊急事態条項は基本的人権を停止し、独裁を可能にする非常に危険な条項だ。こんな重要なテーマに対し、党の代表として自分の言葉で質問に答えることができない。あるいは答えようとしない。こんな無責任な姿勢で政党の代表が務まるのだろうか。
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/405902 … @iwakamiyasumiさんから
    https://twitter.com/55kurosuke/status/934240894215012352

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