下村博文・自民都連会長に「加計学園」から200万円の違法献金疑惑浮上!? 下村氏が緊急記者会見! 火消しに走るも不自然な説明に終始! 都議選出馬中の元秘書に責任転嫁し鉾先をそらせる悪あがき! 2017.6.29

記事公開日:2017.6.30取材地: テキスト動画
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(取材:中川友紀、文:城石エマ、ぎぎまき、記事構成:岩上安身)

 2017年6月29日発売の「週刊文春」が、「下村博文元文科相『加計学園から闇献金200万円』」と題するスクープを報道した。

 同誌は<博友会パーティー入金状況>と書かれた内部文書を入手したとして、2013年と2014年に下村議員の後援会である「博友会」に加計学園からそれぞれ100万円の入金を示す、次のような記載があると報じた。この献金が博友会の政治資金収支報告書には記載されていないことから、政治資金規正法違反の疑いが指摘されている。

<2013年博友会パーティー入金状況>
 9月27日 学校 山中一郎 加計学園 1,000,000
<2014年博友会パーティー入金状況>
 10月10日 学校 山中一郎 加計学園 1,000,000
(「週刊文春」7月6日号より)

 「週刊文春」(7月6日号)が発売された29日午前、報道を受けた下村氏は、急遽、自民党本部で記者会見を開き、200万円の出処は加計学園ではなく、「11の個人や企業が、いずれも(政治資金規正法で名前を記載する必要のない金額である)20万円以下でパーティー券を購入したもの」と説明。「加計学園からの闇献金200万円」の記事は事実に反すると文春の報道を真っ向から否定した。

 しかし下村氏は、11の個人や企業名を明らかにすることはなく、しかもその11名からの献金を持参したのが加計学園の秘書室長だというのだから呆気にとられる。要するに、「加計学園の秘書室長が事務所を来訪され、個人および企業で合わせて11名から預かってきた合計100万円を持参した」というのが、下村氏の用意した「筋書」なのである。とってつけたような説明で、疑惑が晴れるどころか深まるばかりである。

 11人の内訳について、「加計学園の会社、あるいは個人ではないのか?」という記者の質問に対し、下村氏は「加計学園の関係の職員、あるいは会社でないという風には詳しくは聞いておりませんが、(事務所の日報には)『加計学園の秘書室長が色々な方々に、加計学園以外の個人や企業にお願いをした』と書かれているので、その通りだと思います」と述べ、「加計学園関係者ではない」とは明言しなかった。

 個人、企業の「11名」とは誰なのか、下村氏自身も把握できていないのだとすれば、加計氏が金を出しているのかいないのか、チェックのしようもないはずだ。ところが、下村氏は、この11名の中に「加計孝太郎氏の名前は入っていないと聞いている」と答えた。不自然極まりない話である。仮にそれが事実だとしても、同学園の秘書室長はなぜ、加計学園とは関係のない11人のお金をわざわざ伝書鳩のように下村氏の議員事務所に持参したのか。それも2年にわたり、11名という同じ人数からの同じ「100万円」を2回も、だ。首をひねらざるを得ない。

▲下村博文文科相(2017年6月29日記者会見)

■ハイライト

  • 日時 2017年6月29日(木)11:00~
  • 場所 平河クラブ(東京都千代田区)

都議選に出馬している元秘書に責任転嫁!? 下村事務所で起きた「データ持ち出し事件」に問題を矮小化!

 自民党の都連会長をつとめている下村氏は、7月2日に投開票を迎える都議選の自民党の最高責任者でもある。目前に迫った選挙への影響は甚大であろう。

 自民党の支持率を急落させる要因となった「加計学園」問題絡みで、「違法の疑いのある金銭の流れが明るみに出るのは初めてのこと」と、報じた文春自ら、強調して記している。加計孝太郎氏と親しく交わり、加計学園で客員教授をつとめたり、加計学園の獣医学部新設に「尽力」したとみられる政治家は他に数々いる。一人にヤミ献金が渡っていたとなれば、他も同様なのではないかと疑いの眼差しで見られるのは当然である。

 下村議員は会見で一通り弁明を済ませると、問題の矛先を突然、元秘書へ向けた。元秘書とは現在、板橋選挙区から「都民ファーストの会」候補者として出馬している平慶翔氏。タレントの平愛梨氏の弟として注目を集めている人物だ。

▲平慶翔候補のツイッター

 「内部情報を漏らしているのは昨年、私の事務所を退職し、現在、都民ファーストの会から立候補している元秘書。事務所の金を使い込んだ者だ」

 下村氏は自分への追及の矛先を変えるためなのだろうか。元秘書の平氏が情報を漏洩しただろうと、突然会見で個人攻撃を始めた。下村氏は記者会見の場で、あらかじめ用意しておいた平慶翔氏の署名の入った「上申書」と「退職届」を配布し始めた。

「(平氏)本人は『上申書』のサインが自分のものではないと主張しているようだが、私設秘書から公設秘書になった時の『退職届』を見れば、同じサインだとわかる」と発言した。

 ただこの書類のうち、『上申書』について、なぜか8月の作成日より4ヶ月も経った12月にPCが隠されたとされたことになる。これは何を意味しているのだろうか?

▲記者会見で下村博文・自民党都連会長が配布した「退職届」平成26年に、平氏が私設秘書から公設秘書へ肩書きが変更になった際に作成され、署名されたもの。

▲記者会見で下村博文・自民党都連会長が配布した、平慶翔氏の署名がされているとする「上申書」。上申書作成が平成28年8月10日、項目5の「ノートパソコンを隠した」と記載した日付が、平成28年12月21日と、なぜか上申書作成の日より未来のものである。押印もない。

 IWJは、平氏本人に事実を確認すべく都民ファーストの会に電話をしたものの、平候補の街宣日程を含め、一切の質問はFAXでのみ受け付けるとの回答を得た。その後、平氏側が弁護士を通し「マスコミ各社」に宛てた回答を得たので以下に掲載する。内容は、下村氏側の主張を全面的に否定するものだ。

▲平慶翔候補事務所から得た下村博文氏の記者会見へのコメント。

 しかし、いくら下村氏が平候補に鉾先を向けようとも、そんなことで問題の本質が変わるわけではない。文春にリークしたのが誰であろうが、どうでもいいことだ。平氏であろうと、別の人物であろうと、どちらでも構わない。リークされた事実、すなわち下村氏が文科相時代に加計学園の獣医学部新設のために口利きをしたのではないかという疑いが、真実であるかどうかが問題なのである。

 岩上安身は29日、「週刊文春」の報道をめぐり、文科相にヤミ献金をし、口利きを依頼したというのが事実なら贈収賄以外の何ものでもないと批判。加計孝太郎氏は会見に応じるべし。特捜部は動くべしとツイートしている。

 加計孝太郎氏、および加計学園側は、もはや知らぬ存ぜぬではすまされない。雲隠れを続けていないで、記者会見に応じるべきである。また、与党は野党の要求に応じて、早急に国会を開くべきであり、加計孝太郎氏の証人喚問を実現すべきである。

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  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    下村博文・自民都連会長に「加計学園」から200万円の違法献金疑惑浮上!? 下村氏が緊急記者会見! 火消しに走るも不自然な説明に終始! 都議選出馬中の元秘書に責任転嫁し鉾先をそらせる悪あがき! https://iwj.co.jp/wj/open/archives/386359 … @iwakamiyasumi
    下村氏の国会喚問も必要不可欠。国会から膿を出し切ろう。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/984551774206836736

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