“ブラックバイト”の名付け親・大内裕和教授がReDEMOS主催のイベントで警鐘「今の学生のアルバイトのマジョリティーは、生活費に食い込んでいる。辞めたら(生活が)続かない」 2016.12.20

記事公開日:2016.12.23取材地: テキスト動画
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(取材・文:須原拓磨)

 子どもの6人に1人が貧困状態にある日本(※)。それに加え、“ブラックバイト”と呼ばれる、「学生であることを尊重しないアルバイト」が日本に蔓延し、若者を蝕んでいる。

 2016年12月20日、渋谷LOFT9で「ReDEMOS(リデモス)Presents Vol.3『それ、本当に自己責任? ~若者にブラックな社会、どうにかしないとヤバくない?~』」と題したイベントが行われ、「若者の貧困」をテーマにトークが繰り広げられた。

 「市民のためのシンクタンク」を謳う「ReDEMOS」の設立発表記者会見の模様については、以下のURLから御覧いただきたい。

■ハイライト

  • 出演 稲葉剛氏(NPO法人自立サポートセンター・もやい理事)、大内裕和氏(中京大学国際教養学部教授 教育社会学)、山尾志桜里議員(民進党)、藤川里恵氏(AEQUITAS)、諏訪原健氏(ReDEMOS)

“ブラックバイト”の名付け親の大内裕和教授「生活費に食い込んでいるから、(アルバイトを)辞めたら続かないんです」

 ブラックバイト(学生であることを尊重しないアルバイト)という言葉の名付け親で知られる中京大学国際教養学部の大内裕和教授は、大学生が受け取る仕送り額が、著しく減少していることを紹介。東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の学生生活調査によると、2015年度の仕送り額は、月平均8万6700円で、1994年度の12万4900円から約3割も減っている。

 「かつては、自分で自由に使えるお金を稼ぐために働いていた。マジョリティーはそうだった。だから、ブラックバイトにはならないんです。嫌なことがあったら、辞めれば良いんですから」

 大内教授はそう述べ、「今の学生のアルバイトのマジョリティーは、生活費に食い込んでいるから、辞めたら(生活が)続かないんですよ。だから、辞められないんですよ」と、大学生を取り巻く貧困状況を解説した。

▲中京大学国際教養学部の大内裕和教授

▲中京大学国際教養学部の大内裕和教授

AEQUITASメンバーが若者の労働環境について訴え「時給600円で働かされていて、休憩していないのに休憩といって何時間も天引きされた」

 「最低賃金を1500円に」「中小企業に税金まわせ」というスローガンを掲げて活動している「AEQUITAS(エキタス)」のメンバーである藤川里恵氏は、高校一年生の時に、父親が失業した経験を持つ。

▲AEQUITASメンバーの藤川里恵氏

▲AEQUITASメンバーの藤川里恵氏

 藤川氏は、自身のアルバイト経験を赤裸々に語った。「時給600円で働かされていて、休憩していないのに休憩といって何時間も天引きされて、給料が3万円ぐらいしかもらえなかったこともあった。その時は、『文句があるなら辞めろ』と言われた」と突き放されたという。

(…会員ページにつづく)

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