石原慎太郎 東京都知事 定例記者会見 2012.10.5

記事公開日:2012.10.5取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・小山内/澤邉)

 2012年10月5日(金)、東京都新宿区の東京都庁で「石原慎太郎東京都知事 定例記者会見」が行われた。

■全編動画

  • 日時 2012年10月5日(金)
  • 場所 東京都庁(東京都新宿区)

 石原都知事からの話はないということで、会見はすぐに質疑応答に入った。9月30日に誕生日を迎えて、今後の意気込みを質問されると、「だらだら生きていくだけだよ。80になりゃ」と微笑みを浮かべた。体調不良で前回の記者会見を休んだことについては、「血糖値が高く、だるくて調子が悪い。運動不足みたい」と答えた。

 大阪市長の橋下徹氏が代表を務める新党・日本維新の会が発足したことについては、「他人事。あの顔ぶれでは周りもちょっと失望するのではないか。橋下君自身が失望しているんじゃないか」と評した。噂される石原新党の動きについて問われると、「急転直下どうなるかわからない。人生何が起こるかわからない」と答えた。

 また、石原都知事が自民党の総裁選候補者に出していた公開質問状(沖縄県・尖閣諸島の国有化の対応)に、新総裁に選ばれた安倍晋三氏が「船だまりの設置や公務員が常駐する施設も検討」と回答していたことには、「言った通りのことをやってもらえばいい。公開質問状に答えた限りは、やらなきゃしょうがない」と述べた。

 会見当日が北朝鮮拉致被害者・横田めぐみさんの誕生日で、北朝鮮が拉致を認めて10年がたったことへの考えを求められると、「本当に口惜しいというか、腹立たしいというか。小泉君が訪朝して問題がクローズアップされる前から、多くの日本人が拉致されていて、確証もあるという話を聞いていた」と発言。また、「昔の友人が、青年にとっての未来は北朝鮮にしかないと馬鹿なことを言っていた。なぜ一種のシャングリラのように考えたのか」と語った。さらに、「私の臆測」と前置きしながらも、「めぐみさんは生きていると思う」と自身の考えを明かした。

 北朝鮮の日本人墓地に、遺族が戦後初めて訪れたこともあり、「少しずつ雪融けのようなものも見えているかとも思うがどうか」との記者の意見には、「それは、ちょっと甘いのではないか」と反論した。続けて、「北朝鮮の背後に中国があるということは歴然たる因果関係。今の中国の姿勢を見ると、尖閣の問題もそうだし、南シナ海の覇権主義というものを踏まえて考えれば厄介な状況」と述べた。その後、「日本は鯉口を切ればいい。寄らば斬るぞ、と。切ってみろといわれたら、切ればいい」と過激なコメントも発した。

 大間原発の建設再開を受けて、原発稼働に伴うプルトニウム処理について意見を求められると、「ささいな故障で止まっているもんじゅを動かしたらいい。高速増殖炉が動いたら、六ヶ所村に置いてある廃棄物は再燃焼できる。私は参議院の頃からそれを言ってきたんだ」と語った。

 また、「日本経済の発展度合いをシミュレーションもせずに、そのためにどれだけのエネルギーの需要があって、その何割を原発で占めるか占めないか。ほかの燃料を使うことにするというなら、どれだけのコストがかさむか。かつて電気料金が上がっただけで、日本のアルミ業界は全滅した。今でも、千葉県の製鉄所が、夜間のコストが安いから昼間は休業して夜中に操業している」と産業界の苦しい台所事情を例に挙げながら、原発再稼働の必要性を訴えた。

 さらに、官邸前で行われている原発反対デモに対しては、「60年安保の時に岸(信介)さんが頑張って、片務条約をイコールのものにし、地位協定も作って日本に対する安全保障というものを強化させた。あの条約の改定を、中身も知らずに反対、反米、反権力ってことで、騒いでいた連中によく似ているね。これは本当に怖いと思う」と評した。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です