安倍政権のもとで進む武器輸出ビジネスの実態に迫ったインタビュー前編に続き、2016年10月6日、東京新聞記者で『武器輸出と日本企業』著者の望月衣塑子氏に、岩上安身がインタビューをした。後編では、世界各国で進む「無人戦闘機」の研究開発の実態に迫った。
米、英、仏、ロ、中など、のきなみ先進国が開発にしのぎを削る無人戦闘機は、莫大な費用がつぎ込まれているわりに、誤爆による悲劇が絶えない。パキスタンのスンニ派過激組織の掃討作戦にあたった米国の無人戦闘機は、2012年5~9月の間に200人以上を殺害。もともとの標的は33人で、実に9割が別人だったという。
そんな無人戦闘機は今、大きく変化を始めている。米国のノースロップ・グラマン社製「X47B」という無人戦闘機は、なんと自律的に敵機を判断し、相手を攻撃することができる。鍵を握っているのは、「人工知能 (AI)」だ。
このままいけば、実戦だけでなく司令までもが、人間ではなく「人工知能 (AI)」に取って代わられるかもしれない。無人化した戦争はいったい、我々にどのような未来をもたらすのか――?
各国が莫大な国費をつぎこみながら延々と開発競争にしのぎを削る軍事産業の不毛さに、望月氏は取材をとおして愕然としたという。「戦争のできる国」になるということは、そうした不毛な争いに巻き込まれていくことを意味する。防衛費の増加を議論する前に、こうした現実に目を向けなければならない。