「土壌と空気中の汚染については、今後、経年的に、いろんなところで測らないと実態は出てこないと思っています」――。
土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかったことが露見した、豊洲新市場。この問題について、これまで東京都議会で急先鋒となって追及してきたのが、日本共産党東京都議団である。2016年9月20日、IWJはこの豊洲新市場の土壌汚染問題について、日本共産党の可知佳代子都議にインタビューを行った。
同都議団は、9月14日に豊洲新市場の青果棟の地下でたまり水を採取し、民間調査機関に分析を依頼。その結果は16日の記者会見で公表され、ベンゼンやシアン、六価クロムなどは検出されなかったものの、猛毒のヒ素が環境基準値の4割に及ぶ値で検出されたことを発表した。
- 日時 2016年9月20日(火)16:30~
- 場所 都議会議事堂内(東京都新宿区)
可知議員はインタビューの中で、豊洲新市場の汚染物質の問題について、次のように指摘した。
「6月28日に東京都が発表した空気中の汚染物質の測定では、WHOガイドラインの基準を超える濃度でベンゼンが検出されています。土壌と空気中の汚染については、今後、経年的に、いろんなところで測らないと実態は出てこないでしょう」
可知議員が懸念するように、その後、「地下水」とみられるたまり水からは次々と汚染物質が検出されている。9月17日には東京都が、環境基準を下回る微量のヒ素と六価クロムが検出されたと発表。20日には、都議会公明党が独自の調査結果を行い、環境基準を上回るシアン化合物が検出されたと発表した。また21日には無所属の柳ケ瀬裕文都議が、青果棟のたまり水から鉛とヒ素が検出されたとする独自の分析結果を明らかにした。
今、東京都が進めてきた豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に、強い疑義が生じている。なぜ、このような事態に至ってしまったのか――。
インタビューでは、地下たまり水の水質検査の結果だけでなく、石原都政から強引に進められてきた豊洲移転問題を振り返りつつ、共産党都議団がどのようにこの問題に警鐘を鳴らしてきたのか、また東京都側がいかにその警鐘を軽視してきたのか、話を聞いた。