2016年10月16日に投開票となる第20回新潟県知事選挙では、柏崎刈羽原発の再稼働を阻止してきた泉田裕彦現知事の、4選不出馬が衝撃的なニュースとなって報じられた。その後、泉田知事の路線を継承する米山隆一氏が出馬を表明したが、所属する民進党から推薦を得られずに離党。社民・生活・共産3党の推薦を受けることになった米山氏と、自民・公明推薦の森民夫氏(前長岡市長)との激しい選挙戦が展開されている。
この新潟知事選に、野党共闘を提唱してきた、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(以下、市民連合)が、どのような対応をするのか、注目されてきた。
2016年9月12日、民進党代表選挙に関して、民進党及び候補者3名(蓮舫氏、前原誠司氏、玉木雄一郎氏)への申し入れ内容についての、市民連合による記者会見が開かれた。
会見者は、上智大学の中野晃一氏、総がかり実行委員会の高田健氏、安保関連法に反対するママの会の西郷南海子氏、元 SEALDsの千葉泰真氏。市民連合が民進党代表候補3名に対して、「次の衆院選でも野党共闘を強化するよう申し入れた」との報告と、民進党代表選についての見解が表明された。会見の主題は民進党代表選挙だが、記者からは、新潟県知事選への対応を問う声が上がった。
夏の参議院選挙で、32の1人区全部で野党共闘を達成した立役者でもあり、東京都知事選でも積極的に野党統一候補(鳥越俊太郎氏)支援に回った市民連合だが、今回の新潟県知事選を、どのようにとらえているのだろうか?
質疑応答で、新潟県知事選への取り組みについて問われると、中野氏からは、「(市民連合が関わるのは)衆議院東京10区補選、福岡6区補選、衆議院選挙がメインになるだろう。新潟県知事選挙への支援は未定」という、意外な回答が発せられた。
その理由として、中野氏は人的、資金的な理由を挙げたが、これまで市民連合は民進党に野党共闘を求め、東京都知事選にも関与してきた。新潟県知事選への積極的な取り組みを期待する声も多い。
また、「民進党代表選の候補者の発言は内向きだ」という記者からの指摘に対して、中野氏は、「(民進党内には)単独での政権交代を望む人たちがいるため、リーダーとなる者が率先して野党共闘は言いづらい」とし、こう続けた。
「しかし、小選挙区や参議院1人区で野党が共闘しなければ、民進党は勝てるはずがない。だからこそ、与党側は野党の分断を図ることに必死なのだ」
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
安全保障関連法に反対する5つの市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)」、「安全保障関連法に反対する学者の会」、「立憲デモクラシーの会」、「安保関連法に反対するママの会」により、2015年12月に結成された。『安保法制の廃止』、『立憲主義の回復』、『個人の尊厳の擁護する政治の実現』を目指す政党、国会議員を支援する。