記者会見「六ヶ所再処理工場の安全審査指針の問題について」 2012.9.27

記事公開日:2012.9.27取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・大西)

 2012年9月27日、青森県青森市の青森県庁記者クラブで、「六ヶ所再処理工場の安全審査指針の問題についての記者会見」が行われた。

 会見を行ったのは、原子力資料情報室の西尾漠共同代表と、同核燃料サイクル問題担当の澤井正子氏の二人。冒頭、澤井氏は「原子力安全委員会の過去の資料を見直して、気がついたことを話し合いたい」と会見の趣旨を説明した。会見で澤井氏が指摘した問題は二点ある。一点目は、六ヶ所再処理工場の使用済燃料貯蔵プールを増設する可能性があること、二点目は、再処理施設安全審査指針の策定過程が正当でなかったのではないか、ということだ。会見では、澤井氏が約40分にわたり説明を行った。

■全編動画

  • 日時 2012年9月27日
  • 場所 青森県庁記者クラブ(青森県青森市)

 澤井氏はまず、1979年から85年まで行われた、再処理施設小委員会の議事概要を取り上げた。第12回目の委員会議事概要の中に、「下北を意味する」という言葉が出てきていることにふれ、「委員会の途中から、六ヶ所を意識した再処理にしようとしている」と指摘した。そして、「日本における再処理の指針を策定する、というかたちで始まった委員会であるにもかかわらず、六ヶ所だけをターゲットにするのは、果たしてそれでいいのか」と疑問を投げかけた。

 次に澤井氏は、大型再処理工場の基本構想を取り上げた。そこには、「使用済燃料貯蔵容量に関しては3000トン分とし、レイアウトは3000トンの増設が可能なようにする」と書かれおり、現在の施設も増設可能な状態である、と図を見せながら説明した。そして、「これは大きな問題で、国や日本原燃は、これまで増設という話は一切行ってない。将来的に、プールが増設される懸念がある」と指摘した。

 最後に澤井氏は、安全指針を策定する再処理施設小委員会の参考人として、現在六ヶ所再処理工場の運営を行なっている日本原燃が常に出席していることにふれ、「指針策定が客観的に行われたのかどうかが疑問である」と述べた。さらに、核燃料安全専門審査会と、科学技術庁の技術顧問に同じ人物が就いていることを挙げ、「ルールを作る人と、審査をする人が同じなのはおかしい」と、策定過程に問題があると指摘した。

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