「今年は、嫌でも参議院選挙がきます。参議院だけでも勝てば、政権はレームダック状態になります。そうすると、暴走は止まります」――。
昨年9月に、与党による「採決の強奪」によって「可決・成立」した安保法の廃止を求め、今年夏の参院選での野党統一候補を支援するために設立された「市民連合」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が1月5日、新宿駅西口で街頭演説を行なった。
トップバッターとしてマイクを握った慶應義塾大学名誉教授の小林節氏は、「野党が四の五の言わずに、縄張り争いしないでまとまれば、確実に政権交代なんです」と述べ、野党共闘の必要性を訴えた。
他にも小林氏は、TPPに入り、消費税増税によって日本人の富をアメリカのハゲタカ・ファンドに売り渡す安倍政権の姿勢を「反日的だ」と指摘。「安倍さんのやっていることはですね、『日本を取り戻そう』と言いながら、日本を売り渡す、日本をアメリカに差し出すということをやっている訳です」と述べた。
小林節氏のスピーチ全文文字おこし
小林節氏「みなさまこんにちは。
安倍さんの応援団のある評論家が、いま日本は、安倍さんを中心とする『日本軍』と、私たちみたいに彼らに反対する『反日軍』の戦争状態だと言っていました。安倍さんの好きな言葉で言うと、失礼だ、レッテル貼りだ、とそう思います。
安倍さんのやっていることはですね、我々の税金で養われている自衛隊を、米国に二軍として貸し出す。これ、貸し出すというけれども、死にに行くんですよね。殺しに行くんですよね。お金もかかるんですよね。
それから、辺野古の基地ですけれども、占領状態をさらに拡大する、これも日本の領土をアメリカに差し出すということですよね。非常に反日的なことじゃないですか。
それから、TPP。あれ、一瞬安い食料品が我々のマーケットに入ってきますけど、その間に日本の食糧生産能力は衰滅させられてしまいます。そして、アメリカに日本の市場が一方的に管理されてしまいます。
それから、消費税増税のことに関してですね、軽減税率だなんてトリックをしていますけれど、要は一部据え置きの増税に変わりはないのでありますけれども、我々庶民から、広くたくさん金を取っておきながら、法人税減税と言っているでしょ。これ、我々に返ってこないんですよね。法人税減税すると、企業の収益が上がりますから、それは株の配当になって、アメリカのハゲタカ・ファンドに回っていくんですね。
だから、安倍さんのやっていることはですね、『日本を取り戻そう』と言いながら、日本を売り渡す、日本をアメリカに差し出すということをやっている訳です。
だから、安倍さんたちのやっていることは、『反日的』だと思います。それと戦って、それを食い止めようとしている我々の態度は、非常に『日本的』であると思います。
ですから、去年から言われていますけど、『反知性』と。今さら言うまでもなく明らかなことでありまして、9条に違反する戦争法、これも明らかでありまして、安倍さんの根拠は国会で、実質得票率13%、形式上の得票率43%で、70%の議席を取っていることに由来するわけでありますから、野党がきちんとまとまれば、50%近くの人が入るわけですよね。
ですから、すべての総選挙区で、野党が四の五の言わずにですね、縄張り争いなんかしないでまとまれば、確実に政権交代なんです。今年は、嫌でも参議院選挙がきます。参議院だけでも勝てば、政権はレームダック状態になります。そうすると、今度は暴走は止まります。
ですから、本当に政治家というのは、それぞれの意見を張り合ってつまらない縄張り争いしていますけどね、我々、政治家でない者の力と気持ちで、『まとまりなさい』と呼び込んでほしいと思います。
以上です。ありがとうございました」