「TPPを通して『日本』を語る」シンポジウム 2012.8.23

記事公開日:2012.8.23取材地: テキスト動画
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(IWJ・平山茂樹)

 2012年8月23日(木)、河合塾COSMO東京校で、「TPPを通して『日本』を語る」シンポジウムが行われた。

■ハイライト

  • <出演者>
  • 司会:楠静子氏(河合塾地理科講師)
  • 渡部直人氏(農学博士・農業経済学)
  •  「モンサント!私の体験から、そして日本農業と水について」
  • 京野公子氏(国民の生活が第一衆議院議員)
  •  「TPP・日本の農業政策について」
  • にゃんとま~氏(自由業・元河合塾英語科講師)
  •  「TPP前史・TPPの本質・日本モンサント茨城農場について」
  • 高橋巌氏(農学博士・日本大学教授)
  •  「TPPが協同組合・共済に与える影響-自治とセーフティネットを守るた めに-」
  • 早川行雄氏(ものづくり産業労働組合(JAM)副書記長)
  •  「TPPと国際労働運動」
  • Y家の母妻(農家)
  •  「農業の現場から モンサントと日本農業」
  • 日時 2012年8月23日(木)
  • 場所 河合塾COSMO東京校(東京都新宿区)

 昨年11月11日、野田総理が「交渉に向けた関係国との協議に入る」という言葉を残して以降、日本農業新聞とIWJを除き、メディアではほとんど報じられることが無くなってしまったTPP。しかし、民主党内では引き続き経済連携PTが行われており、慎重派の議員による勉強会「TPPを慎重に考える会」も引き続き開催されている。外務省と経済産業省は関係国との事前協議を継続していると言われており、TPPは依然として、水面下では進行中だ。危機感を募らせている議員も多く、新党きづなや、最近の政局の動きの中で誕生した新会派「みどりの風」は、TPP反対をはっきりと打ち出している。首相官邸前では、反原発抗議行動と同じように、反TPP抗議行動も始まった。

 この日のシンポジウムでは、大学教員から労働組合副書記長、塾講師、実際に農業を営んでいる方など、TPPに関心を持つ人々が、twitterを通じた呼びかけを通じて集まり、議論を行った。「国民の生活が第一」の京野公子衆議院議員も参加した。

 まず、遺伝子組み換え食品を作るためのアメリカの大手農薬メーカー、モンサントの脅威について議論が行われた。茨城県に住むにゃんとま〜氏は、茨城県にある日本で唯一のモンサント農場を紹介。写真を撮ったりブログに記述を残すといったことが許されないほど、厳重な警戒態勢が敷かれているという。

 TPPは農業だけの問題に限らない。郵政、共済、自動車、投資など、多岐に渡る分野に影響を与える。日本大学の高橋嚴教授は、セーフティネットとしての共済の重要性を強調。「民主党は小泉改革での郵政民営化こそ見直したが、TPP推進で共済というセーフティネットを破壊しようとしている。新自由主義からの転換という初心を忘れてしまっているのではないか」と指摘した。

 会場からは、京野議員に対し、「国民の生活が第一は、消費税増税反対では結束しているが、TPP反対が鮮明ではない。それはなぜか」という質問が飛んだ。それに対し京野議員は「私自身はもちろん、小沢一郎代表もTPPには反対。当初はTPP反対を党の基本方針として掲げようとしていた。しかし、党内幹部の一部にTPP推進論者がおり、その流れがつぶされてしまった」と説明した。

 シンポジウム終了後、にゃんとま〜氏にIWJ平山が単独インタビューを行った。

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