米バークレー市議会が辺野古新基地に反対決議 〜「その議決書と添付資料は、大統領に送付される」バークレー市議会取材報告 2015.10.16

記事公開日:2015.12.5取材地: テキスト動画
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(取材:IWJ京都・萩崎茂、文:IWJテキストスタッフ・関根かんじ)

特集 辺野古
※12月5日テキストを追加しました!

 米カリフォルニア州バークレー市の市議会は、現地時間の2015年9月15日、「沖縄の人々を支援する決議」を全会一致で可決した。この決議は、環境や人権擁護の視点から、米軍基地の辺野古移設に反対するもので、米政府を当事者と位置づけて計画の再考をうながすものだ。

 バークレー市議会の採択を取材した、マブイ・シネコープ代表の木村修氏が、2015年10月16日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開催された「10・16バークレー報告会:今こそアメリカ反戦市民運動との連帯を! 辺野古新基地建設反対決議をあげたバークレー市議会取材報告会@京都」で報告を行った。

 アメリカの中でも、リベラルなことで知られるバークレー市の市民参加型の地方政治のあり方を紹介した木村氏は、「バークレー市議会の、沖縄に関する議決書と議案補足資料には、関連文書、日本からの書簡などすべてが添付されていて、それを閣僚や大統領に送付して回答を求めている」と述べた。

 沖縄で、辺野古基地建設の反対運動を続けている泰真実(やす・まこと)氏からは、辺野古の現状について報告があった。

 参議院で安保関連法案が強行採決された翌日から、辺野古では反対運動への弾圧が激しくなったという。海猿(うみざる)と呼ばれる海上保安庁の職員が市民のボートを転覆させるなど、危険な違法行為が行われていることや、右翼団体による市民への襲撃を黙殺する警察など、辺野古で起きているさまざまな問題を映像とともに示した。

記事目次

■ハイライト

  • 主催挨拶 松久寛氏(戦争をさせない左京1000人委員会)
  • 映画上映『バークレー 市民がつくる町』
  • バークレー・辺野古取材報告 木村修氏(映像制作者、マブイ・シネコープ代表)
  • 沖縄・辺野古現地からの報告 泰真実(やす・まこと)氏
  • 主催者まとめ・行動提起 大湾宗則氏(No Base! 沖縄とつながる京都の会)/今後の予定

アフガン空爆にも全米で唯一反対決議を出したバークレー市

 はじめに、戦争をさせない左京1000人委員会の松久寛氏が主催者あいさつに立ち、「ベトナム反戦運動が盛んだった米バークレー市の議会が、辺野古新基地建設に反対の決議をしたことに驚いた。日本でも横のつながりを強固にして、京都市議会でも同様の決議をさせるように奮起したい」と話した。

 次に、バークレー市議会のアフガニスタン空爆反対決議を取材した映画『バークレー 市民がつくる町』が上映された。

 アメリカ西海岸、サンフランシスコの東に位置する人口10万人のバークレー市は、伝統的に革新系の政治運動の盛んな街で、市議会は市民が傍聴できるように、毎週火曜日夜19時より開催される。そこでは毎回10人ずつ、市民が意見を述べる「バブリック・コメント制度」があり、その様子はラジオとテレビで中継される。12年前には、全米で唯一、アフガニスタン空爆の反対決議を行っている。

 映画では、アフガニスタン空爆反対決議を提出したドナ・スプリング市議会議員、ブッシュ大統領に戦争遂行の全権を与える法案に対し、ただ1人反対した地元選出のバーバラ・リー国会議員も紹介。当時、全米のアフガニスタン空爆の支持率は92%にもかかわらず、バークレーではパブリック・コメントで、反対決議案に10人中7人が賛成した。市民の多くがこれを支持し、議決でも賛成5で可決されたという。

米軍事委員会は「辺野古が唯一の選択肢」という一文を削除

 続いて、この映画を制作した木村氏が、バークレー市について説明した。

 「カリフォリニア大学バークレー校を中心にした学園都市で、約90ヵ国からの留学生がおり、彼らの母国の社会問題に対する抗議活動などもすぐ起こる。世界の情報が集まる環境だ。非核平和都市条例を採択しており、市内での核兵器の部品生産、貯蔵、運搬を禁止している。

 南アフリカのアパルトヘイト反対、アフガン爆撃への反対決議などを出し、イラク戦争に反対して、市議会決議で市主催の抗議集会まで行った。この抗議集会の実行委員長は市長で、デモの安全確保のため、警察も実行委員会に所属した。現在は、イスラエルのガザ攻撃に抗議するため、イスラエルに一番出店しているマクドナルドの不買運動を模索中だ」

 木村氏は、日本環境法律家協会などが、ジュゴンが生息する辺野古の海の埋立てに反対し、2003年に米国連邦地裁に起こした「ジュゴン訴訟」にも触れた。これは、アメリカ文化財保存法に基づいて、辺野古新基地建設の工事差し止めを求めたものだ。

 連邦地裁は、2008年の中間判決で原告の主張を認め、ジュゴンと希少生物の保存が保障されていないとして、国防省にレポートを要請した。2014年、国防省は「工事で深刻な影響は出ない」としたレポートを提出。2015年2月、連邦地裁は国防総省の報告を認めて、辺野古新基地建設の差し止め権限まではない、と判決を下した。これについて木村氏は、「裁判所は責任逃れをした」と断じた。

 バークレー市議会決議案「沖縄県民支援をサポートする決議36号」の内容は、次の通り。

  1. 文化財保存法に則り、希少生物保護は不十分であること。
  2. 海洋ほ乳類委員会は、国防省の中間報告の再検討。
  3. 米国議会へ環境アセスメントの再調査。
  4. 米国議会における新基地建設決定の瑕疵の指摘。

 なお、5番目に「以上4点が満たされない場合、工事を中止する」としていたが、それは議決には加えなかったという。

 米上下両院の軍事委員会は、2016年度の国防予算の大枠を定める国防権限法の承認の際、普天間基地の移設先について『辺野古が唯一の選択肢』という文章を削除した。木村氏は、「米上下院には、翁長沖縄県知事の主張が理にかなう、と考える議員が増えているのだ」と力を込めた。

バークレー市議会の「本気度」がわかる、充実した議会資料

(…会員ページにつづく)

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