「日米両政府の間で沖縄はたらい回しだ」翁長知事、国連人権理事会で辺野古問題を訴え――安保法制成立で「沖縄の緊張は増す」との言及も 〜国連での記者会見で 2015.9.22

記事公開日:2015.9.28取材地: | | テキスト動画
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(取材:山本真知子、文:IWJテキストスタッフ・富田、記事構成:ぎぎまき・佐々木隼也)

※9月28日テキストを追加しました!

 「沖縄の人たちは、自己決定権や人権をないがしろにされてきた。自ら望んで(米軍に)土地を提供したわけではない」――。

 スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会で、沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地の移設計画を巡って演説した沖縄県の翁長雄志知事が、翌日(2015年)9月22日11時半から(現地時間)、国連欧州本部で記者会見を行った。翁長知事は、名護市辺野古への新基地建設に反対する立場を鮮明にしつつ、日米両政府の巨大権力の下で沖縄が強いられている理不尽を訴えた。

 また、今年6月の訪米の際、米連邦議会の議員らと面会を重ねた結果について、「彼ら(米連邦議会議員ら)は、私の話を聞いてくれるが、最後には、『辺野古の問題は日本の国内問題だから、日本政府に話をしなさい』と言ってきた」と落胆まじりに語った。

 その後、日本政府の方からは、「(米国が)辺野古がほしい、と言っている」と返事があったことを明らかにし、沖縄を「たらい回し」にする日米両政府の不誠実な姿勢を批判。「国際世論」に呼びかけるほかないとの思いに至った経緯を説明した。

 日本の国会で成立したばかりの安保法制については、「手続き的に強引な、ある意味で、憲法にそぐわないやり方で法が成立した」と述べ、米軍基地が集中する沖縄では、特に緊迫感を抱いていると懸念を示した。

記事目次

■ハイライト

  • 収録日時 2015年9月22日(火)
  • 配信日時 2015年9月24日(木) 11:30〜
  • 場所 国連ジュネーブ本部(スイス ジュネーブ)

日米安保に理解を示しつつ、「沖縄県民の自由、平等、人権、民主主義をどう考えているのか」と反論

 米軍基地問題がもたらしている沖縄の窮状について、翁長知事は、「日本の国土の0.6%の沖縄に、在日米軍専用施設の74%が存在する現実は、(沖縄を)差別しているのに等しい」とした。

 翁長知事は日米安保体制について、「自由、平等、人権、民主主義を共通の価値観にしつつ連帯を図り、アジアの平和を目指そうとするものだと思う」と、一定の理解を示しながらも、「沖縄県民の自由、平等、人権、民主主義を一体どう考えているのか」と怒りを滲ませた。

 辺野古新基地の建設反対を訴えた6月の訪米について聞かれると、翁長知事は「ワシントンDCへ行って、ジョン・マケイン上院議員をはじめ、国務省や国防総省の関係者、さらには上下両院の議員らと会い、(基地問題での沖縄の負担について)いろいろ話をした。彼らは、私の話を聞いてくれるが、最後には『辺野古の問題は日本の国内問題だから、日本政府に話をしなさい』と言ってくる」と語った。

 しかし、その米国側の意見を踏まえて日本政府に申し入れると今度は、「(米国が)辺野古がほしい、と言っているから」と、たらい回しにされたという。翁長知事は「日本政府が米国政府にものが言えないのか、あるいは日本政府が(米軍基地を県内に)引き留めているのか、どっちなのかがわからない」と顔をしかめた。

 「いずれにしても、沖縄は、たらい回しだ」と重ねて述べた翁長知事。米政府に「辺野古の新基地を使う米国は当事者だ」と訴え、日本政府に対して「日本国全体で、抑止力や安全保障体制を考えないのか」と食い下がっても、成果は得られなかったという。

「人権と基地問題は別」とした日本政府代表の人権感覚

 日本テレビの記者から、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の嘉治美佐子大使が、前日の国連人権理事会での翁長知事の演説に反論し、「人権理事会で、基地問題はなじまない。日本政府は一昨年、仲井真弘多前知事から埋め立ての承認を得て、関係法令に基づき、移設を進めている」などと語ったことについて質問が出ると、翁長知事は次のように不満を口にした。

 「沖縄は27年間、アメリカの施政下で、米兵による少女暴行やひき逃げ、ヘリコプター墜落事故などがあっても黙っているしかなかった。本土復帰後も、米軍基地による環境汚染が続々と出てきた。しかし、日米地位協定によって調査もできない。

 沖縄の人たちは、自己決定権や人権をないがしろにされてきた。その根幹には、基地の存在がある。私たちは、自ら望んで(米軍に)土地を提供したわけではないのだ。

(…会員ページにつづく)

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  1. 清沢満之 より:

    2013/07/18 「国連人権理事会の特別報告に、日本政府は難癖をつけ反論」 ~福島・市民社会・国連をつなぐ第2回~ 原発事故をめぐる「健康に対する権利」、国連人権理事会勧告を考える
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/91828
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