40年期限が近付く美浜3号、事業者が資料を作成しないから審査できないと苦言~原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見 2015.9.9

記事公開日:2015.9.9取材地: テキスト動画
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 2015年9月9日(水)14時30分より、田中俊一原子力規制委員会委員長の定例記者会見が開催された。40年期限が近付いている美浜3号機の審査に必要な資料提出が遅れており、審査が進んでいない状況について、事業者の認識、取組みを確認する方針を示した。40年目の2016年12月までに全ての審査に合格しないと廃止することになる。

■全編動画

  • 日時 2015年9月9日(水) 14:30~
  • 場所 原子力規制委員会(東京都港区)

「この3年の規制判断は間違っていない」と委員長

 原子力規制委員会が発足して3年が経過する。田中俊一委員長は、「規制は政治からの独立が大事で、法律的には三条委員会として独立性の高い委員会だ」だが「問題は実際それに魂が入っているかだ」と言う。

 また、発足当時は、福島第一原子力発電所の事故で、規制行政に対する国民の信頼がほとんど0%になった非常に厳しいときだったと回顧。そのため、透明性と中立性を重視してきた。透明性として毎週の記者会見を、中立性として科学技術をベースとした判断を行ってきたと言う。

 この3年を振り返って、「(魂を入れる)そのつもりでやってきたが、まわりがどう見てるかはわからない」、科学技術ベースの判断を行ってきたこと「そのことは間違っていないと考えている」と、これまでの規制判断への信念を見せた。

美浜3号、審査が進まず、廃止期限まで審査期間にあまり余裕がない

 関西電力美浜原子力発電所3号炉の審査が遅々として進まない。美浜原発は1,2号炉は廃止済み。3号機は1976年12月に運転を開始しており、40年の運転延長審査の期限が近付いている。40年目の期限までに、新規制基準適合性審査の3つの審査に合格しなければ、それ以降の運転は法律的にできなくなる。

 田中委員長は、美浜と高浜は、期限が決まっているので優先的に審査を行っているが、事業者が審査に必要な資料を作らないので審査ができないと苦言。美浜がいつまでも優先的に扱うものでもないと言う。

 期限まで余裕がない状態なので、関西電力が、どのように認識し、どのようにとりくむのか、規制庁は確認しる予定だ。それでも資料の作成や提出が遅れ、審査が進まないと、場合によっては期限が来て運転できなくなる、つまり廃止になる。

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