「手続き的に問題があり、内容面でも実際の危険が伴う」
再稼働が目前に迫る九州電力川内原子力発電所をめぐり、1号炉の高経年化(老朽化)対策に関する原子力規制委員会の認可を取り消すよう、市民1973人が2015年8月7日、規制委に対して行政不服審査法の規定に基づき異議申し立てを行った。
規制委は8月5日、川内原発1号炉が運転開始から30年を超えて稼働するために必要な「高経年化技術評価等に係わる原子炉施設保安規定」の補正申請を認可した。
この補正申請は、申請がなされた7月3日からわずか1カ月程度で認可している。しかし、同申請には、基準地震動の変更による耐震安全性の評価の追加が含まれている。
この問題について、異議申立人の一人「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武氏は、次のように主張する。
「補正申請というと、通常は語句の訂正など軽微な申請がほとんど。だが7月3日の申請では、これまで想定していた基準地震動よりも大きい地震動を想定することになっている。
その地震動が襲った場合、配管が亀裂などの劣化事象を抱えた状態で耐えられるかどうか、耐震安全評価を新しい基準地震動に従って、本当は一からやりなおさなければならない。本申請を一からやり直すくらいの大きな変更事項だと思う。通常であれば1年くらいかけて行うべき審査だ」
阪上氏は、今回の審査が「ずさんで不十分。再稼動予定の直前の駆け込み込み認可だ」と訴えた。
また、主給水系配管の腐敗による減肉を想定した耐震安全性評価で、許容値ぎりぎりの危険部位があるにもかかわらず、ばらつきや不確かさについて詳細の評価が行われた形跡がないとも指摘。他の部位は運転開始から60年を想定するなど厳しい評価をしているが、この危険部位だけは運転開始40年という非常に甘い条件で評価をしており、危険な状態にあるのではないかと推察した。
現地調査についても、規制委は4月23日と24日の両日で現地調査を行っているが、補正申請が提出された7月3日後には行われておらず、外部有識者を招いての意見聴取会なども実施されていないとして、不当であると訴えた。
同じく異議申立人の一人、国際環境NGO「FoE Japan」理事の満田夏花氏は、「実際上の危険が伴うにもかかわらず、現地での確認をしておらず、甘い設定で評価が行われている。今回の原子力規制庁による審査、原子力規制委員会による承認および認可は、川内原発再稼動のスケジュールありきの駆け込み審査、駆け込み認可である。この認可は取り消すべき、そして再稼動もやめるべきだ」と強調した。
2015/08/07 「ずさんで不十分」川内原発老朽化審査は「再稼動ありきの駆け込み認可」――市民1973人が原子力規制委員会に対し異議申し立て http://iwj.co.jp/wj/open/archives/256778 … @iwakamiyasumi
相変わらずの机上の空論。事故から学んだ市民と学ばない行政。
https://twitter.com/55kurosuke/status/630666655857651712