世界銀行は「原発への投資は行わない」 ジム・ヨン・キム総裁が外国特派員協会記者会見で明言 2015.3.13

記事公開日:2015.3.26取材地: テキスト動画
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(取材:IWJ石川優、記事:IWJ菅美香子)

※3月26日テキストを追加しました。

 国連防災世界会議に出席するために来日した世界銀行のジム・ヨン・キム総裁が、2015年3月13日、日本外国特派員協会で開催された記者会見で、「現在、多くの原発が非常に古いテクノロジーを使っている」と述べ、よりクリーンなエネルギーを作る新しい技術を発展させることに注力すると発言した。

 質疑応答で原発政策に対する考えを問われたキム総裁は、「なぜ今原発を利用しなければならないのか、というのが私たちの立場だ」と明言し、原発に対する投資は行わない考えを示した。

※会見は英語で行われております。
■ハイライト

  • 会見者 ジム・ヨン・キム (Jim Yong Kim) 氏(世界銀行総裁)
  • 日時 2015年3月13日(金)15:00~16:00
  • 場所 日本外国特派員協会(東京都千代田区有楽町)
  • 主催 日本外国特派員協会詳細、英語)

世界銀行は原発以外のエネルギー技術に投資する

 いま中国が主導する、アジアインフラ銀行の創設の準備が進んでいる。3月12日、イギリスがアジアインフラ銀行への参加を発表した。これに続き、ドイツ、イタリア、フランスも参加を表明している。キム総裁は、この動きについて、「新しい投資銀行を歓迎する」と述べた。既存の金融機関は低リスクの案件にしか出資しない傾向にあるが、発展途上国では多額のインフラ投資を必要としている。「インフラにはさらに投資が必要」というのが、キム総裁の考えだ。

 また、原発政策に対する考えを問われたキム総裁は、原発に対する投資は行わない考えを示した。原発について、世界銀行としては「専門知識がなく、安全性やリスクの問題は未知数」であり、「原発の領域における専門知識を促進する計画」もなく、原発への投資は行わない旨を明言した。

 より多くのエネルギー需要が見込まれることは明らかであり、世界銀行としては、それに対する施策として炭素税の導入に焦点を当てている。2014年の国連総会では、多くの国が炭素税制度についての合意書に署名した。キム総裁は、原発では古いテクノロジーが使われているとし、「なぜ今原発を利用しなければならないのか、というのが私たちの立場だ」と述べた。世界銀行は、太陽光発電などの新しい技術を早急に発展させるための投資を行うという。

災害リスク・マネジメントには日本の知識とリーダーシップが求められる

(…会員ページにつづく)

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