原子力規制委がまとめた火山影響評価ガイドの欠陥が浮き彫りに、静岡大学防災総合センター教授・小山真人氏「専門家から見て明らかにおかしい」 2015.3.4

記事公開日:2015.3.12取材地: テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

※3月12日テキストを追加しました。

 「原発再稼働を考える超党派の議員と市民の勉強会」の第3回が3月4日(水)、東京都千代田区の参議院議員会館にて行われ、静岡大学防災総合センター教授・副センター長の小山真人氏が、「原子力規制―火山影響評価ガイドの問題点から考える」と題して講演を行なった。

記事目次

■ハイライト

  • 日時 2015年3月4日(水) 16:30~
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

災害予測からできるハザードマップの重要性

 「専門家から見て火山影響評価ガイドと言われているものは明らかにおかしい」

 小山氏は冒頭、このように語った。2014年11月、日本火山学会は巨大噴火の予測と監視に関する提言を発表。提言では、火山影響評価ガイド等の規格・基準類における噴火予測の特性を十分考慮し、慎重に検討すべきであると、ガイドの対応・見直しを求めている。

 火山噴火予知については、観測機器による直前予知がある。これは、医者に例えれば聴診器を当てる行為になるという。他方、噴火履歴による災害予測は、例えると病歴をさぐる行為で噴火予知の一つだと小山氏は説明する。噴火被害のハザードマップは、災害予測結果の成果で、火山の常備薬だと表現した。

 災害予測の専門家である小山氏は、富士山のハザードマップを例に挙げた。富士山では、噴火のシミュレーションから溶岩流、火砕流、噴石などによる危険度を組み合わせてハザードマップが作られ、区域を分けて危険な場所から避難させていく広域避難計画が立てられている。そして、行政区ごとに具体的にどのように避難するかについては、間もなく発表があるという。

火砕流が到達した事実が複数ある川内原発

 原発付近の火山については、原発から半径160km圏内の火山を調査することになっている。川内原発の場合、阿蘇山も160km圏内に入る。大規模な火砕流が発生した場合、阿蘇山では火砕流が160kmまで届いた実績があるという。火砕流は400~500℃にもなり、巻き込まれたら助からない。阿蘇山の火砕流は、山口まで届いているため、海も超えている。

 南九州は火山が多く、地層は火砕流が折り重なってできているのだという。鹿児島の南方の海底にある鬼界カルデラは、縄文時代に相当な被害を与えており、他にも入戸火砕流、加久藤火砕流や阿多火砕流、鳥浜火砕流、小林火砕流など、多くの火砕流が川内原発の立地地域に到達している過去がある。また、九州、四国、中国、北東北、北海道でも、過去に火砕流が届いている原発立地地域が存在しているという。

 リスクを定量化(死者/年)すると、日本海溝地震では、避難によりリスクが大幅に下がった実例があることから、火砕流噴火のリスクを評価する必要性を小山氏は伝えた。現在は、確率の低さだけを強調し、被害想定をしていないことから、リスクが許容できるか否かの社会的合意を得るべきと小山氏は考える。社会的合意を得た許容リスクによって、大規模カルデラ噴火程度の災害では、多くの人々が生き延びることができるという。

火山影響評価ガイドでは火山事象に数値基準はない

(…会員ページにつづく)

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