【大義なき解散総選挙】国会での野党共闘に意欲~社民・吉田忠智党首、選挙戦を振り返り共産党との違いについても言及 2014.12.14

記事公開日:2014.12.16取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

特集 総選挙2014

※12月16日テキストを追加しました!

 手落ちのない『野党共闘』で自民党候補者全滅という結果を成し遂げた沖縄2区で、社民党は前衆議院議員の照屋寛徳氏が当選。公示前の2議席を確保し、政党要件をぎりぎりのところで保持した。同党は小選挙区で18人、比例ブロックで7人を擁立し当選を目指したが、2議席確保という厳しい結果になった。選挙結果を受けて、吉田忠智党首は12月14日の記者会見で、超短期戦だったわりには支持の広がりはあったと、安堵の表情を見せた。

 しかし、共産党を除く野党共闘については「準備期間が短かった」と話し、十分な選挙戦術が展開できなかったことが、与党に有利に働いたと分析。一強体制の巨大与党に対峙するため、今後は国会で野党で協力する意向を示し、次の選挙でも今回の選挙戦をいかしていきたいと述べた。

 記者から低投票率について聞かれると、安倍政権の強権政治に原因があると指摘した吉田党首。「2大臣辞任の疑惑も晴らさず参院選に突入。安倍総理の身勝手な解散が今回行なわれたことも、国民の政治に対する不信感の増幅になったのでは」と批判した。

 ゲイであることを公表し、同党の比例東京ブロックから出馬した石川大我候補は結果及ばずだったが、吉田党首は会見の中で、「マイノリティの声をいかしていく社民党にとっては、優位な人材。今後は若い力に引っ張っていって欲しい」と期待を寄せた。

■ハイライト

  • 日時 2014年12月14日(日)22:00~
  • 場所 社会民主党本部(東京・永田町)

※以下、発言要旨を掲載します

短い時間の中での戦い、「野党共闘」が十分浸透しなかったのが敗因

IWJ「突然の解散総選挙で準備期間が短い中での戦い、現時点(21時30分)での結果を受けて、振り返りを。また、選挙序盤、自民党が300議席を超えるのではないかと一斉に報じられたが、今の時点では、現状維持という流れも見受けられる。『大義なき選挙』と言われる中、野党共闘の成果についてどう受け止めているか」

吉田忠智党首(以下、吉田・敬称略)「今のところ、沖縄2区の照屋寛徳候補が選挙区で当選確実、比例で1議席は何とかという状況ですが、全国を回っていて、準備期間が短いわりには支持の広がりは感じていた。

 予測では、自民公明でかなり議席を獲得する状況。安倍首相は、『アベノミクス解散』と経済政策を全面に立てた。私たちはそれ以外の、集団的自衛権や原発再稼働、TPPの問題などを訴えたが、どうしても国民生活が厳しい中、十分に争点化ができなかった。それが自公与党を利することにつながった。

 野党共闘については、民主党や生活の党と協議をし、今回は前回に比べて棲み分けができた。今回、5党で積み上げたのは194区。ただ、期間が短くて浸透するまでにいかなかったのかなと思う。いずれにしても衆院選の結果を踏まえて、闘い方を分析し、参院選にいかしていきたい」

IWJ「比例東京ブロック1位で出馬した、石川大我候補について、どんな期待をかけているのか」

吉田「彼は、ゲイを公表した初めての自治体議員で、LGBTなど、マイノリティの声をいかしていくという社民党にとって、優位な人材だと思っている。これから期待している。石川さん以外にも若い候補者に全国で出てもらった。党首として、青年議員の声を党運営に反映するよう働いてきたので、少しずつ芽が出てきたのかなと。社民党をこれから若い力で引っ張っていってもらいたい」

政治に対する不信感を増幅させた安倍政権が、低投票率を招いた

記者「今回、戦後最低の投票率を下回ったが、盛り上がらなかった要因はどこにあるか」

吉田「そもそも、アベノミクスに対する国民の不満は強いと思っている。政策も、現時点では失敗だと思っている。『政治とカネ』の問題でも2大臣が辞任し、疑惑を晴らさないまま衆院選に突入した。安倍総理の身勝手な解散が今回行なわれたことも、国民の政治に対する不信感の増幅になったのでは。この2年間の安倍政権の手法が極めて強権的だった。そのことが、安倍政権の抵抗として低投票率につながったのでは」

記者「社民党と同じような政策をあげている共産党は、一方で議席を伸ばしている。社民党と共産党の違いは差は何か」

吉田「共産党は、沖縄選挙区以外はすべての選挙区に候補者を立てた。うちは18選挙区。安倍政権の批判の受け皿として、有権者に姿が良く見えたのでは。社民党は近い政策を掲げたが、姿がなかなか見えなかった点も原因の一つ。党として、いずれにしても、安倍政権の批判票の受け皿になれていないことは真摯に受け止め、これからの統一地方選挙や参院選に向けて分析をし、次に備えたい」

記者「安倍政権の受け皿に、野党全体としてなれていないという現実があると思うが、『野党共闘』が急務ではないか。今後の野党再編の在り方についての展望を」

吉田「巨大与党が誕生して一強体制の状態になる。野党が共闘、協力するのは不可欠。それによって、与党に対してしっかり対峙できる。国会の中ではそういう取り組みをしていくと同時に、野党再編に向けては、社会民主主義のリベラル勢力の再結集、再構築につながれば、社民党も積極的に関わっていきたい」

記者「社会民主主義の勢力の結集についてたが、民主党や維新と現実的に連携できるのか」

又市征治幹事長「社会民主主義は、平和、自由、平等、共生を掲げている。『社会民主主義』というのは言葉ではなくて、集団的自衛権や秘密保護法など、安倍政権がやっていることに反対する国民の声を背にしてしっかり共闘していくのが大事」

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「【大義なき解散総選挙】国会での野党共闘に意欲~社民・吉田忠智党首、選挙戦を振り返り共産党との違いについても言及」への2件のフィードバック

  1. 元京都市民 より:

    社民党は政策が一番近い共産党と共闘を模索しないで、民主党や所謂三極との共闘や模索をしてるところが問題。
    前身の社会党が社公民路線を選択した姿勢のまま、これを改めないとますますダメになっていくと思う。
    同時に足腰を鍛えないとダメ。地道な党建設をしていかないと早晩解党の憂き目にあうと思う。

  2. 無党派 より:

    (申し訳ありません、こっちの文章の方が上手くまとめられたので、こっちのコメントを載せてください。お願いします。)

    憲法の危機という事で、「共産党と社民党など(社民党・生活の党・民主党)が参院選で全国的に選挙区調整すべき」という意見があちこちでまた強くなっていきそうですが、こういう時って、なぜだか、共産党ばっかり責められる事が多いんですよね。

    国政選挙で、共産党が社民党などとの全国的な選挙区調整にやる気がない事を批判するのであれば、社民党など(社民党・生活の党・民主党)が共産党との全国的な選挙区調整にやる気がない事も同じように批判しなければいけないと思うのですが…。
    (それ以前はわかりませんが)原発事故以降に、国政選挙で全国的な選挙区調整をしようと、共産党が社民党などに要請をしたという話も聞かないですし、社民党などが共産党に要請をしたという話も聞かないですから。

    選挙区調整すべき、というのなら、共産党に対しても、社民党などに対しても、同じように批判しなければおかしいと思いますけどね。

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