安倍総理による「アベノミクス解散」という宣言とともに、突風のように始まった師走の衆議院解散総選挙。野党第一党である民主党は、公示前の62議席から11議席を伸ばして73議席を獲得するも、代表の海江田万里氏が小選挙区で落選し、比例区での復活もかなわないなど、厳しい選挙戦を強いられた。
投開票センターに設置されたモニターから、自民党議員の当確情報が次々と流れる中、各テレビ局の取材に応じた福山哲郎政調会長と枝野幸男幹事長は、ともに厳しい表情を見せた。
海江田氏は会見で、「国民の期待の声に十分応えることができなかった。与党の受け皿になれなかった」と今回の選挙戦を反省しつつ、「今後も国会の中で、野党第一党として、十分な議論を尽くして、安倍さんの暴走に対するブレーキ役となりたい」と述べた。
IWJは、開票速報が続々と届く開票センターの中で、加藤敏幸選対副本部長に、今回の選挙結果の受け止めについて、単独インタビューを行った。
- 日時 2014年12月14日(日)20:00~
- 場所 民主党本部(東京・永田町)
※以下、発言要旨を掲載します
加藤氏「有権者、現状を是認」
――開票が始まって約1時間、自民党が300議席を超える勢いだと伝えられています。現在の情勢について、受け止めを率直にお聞かせいただけますでしょうか。
加藤敏幸選対副本部長(以下、加藤・敬称略)「突然の解散総選挙ということで、有権者の皆さん方のご判断も色々とあったと思いますが、明確な争点化というものが、なかなかできなかったということもありまして、それならばとりあえず、現状を是認すると、そういう判断があったのではないかと思います」
――アベノミクスの是非だけでなく、原発の再稼働や集団的自衛権行使容認といった点も争点だったのではないかと思いますが、国民の関心はどの点に集まっているとお感じになられたでしょうか。
加藤「関心点というのは、結構、様々あったと受け止めています。
暮らし向き、ということについては、アベノミクスについてというよりも、一人一人の生活実感から言って、特に地方では、その成果というものが、あまり感じられていない。
だからといって、否定をするというのもどうかな、という、釈然としない状況の中で、思いが拡散をした、ということかなと思います。そういうなかで、争点を絞り込むことができなかったということだと思います」
――まだ最終的な結果が出たわけではありませんが、自民・公明の両党で3分の2を確保する勢いとも伝えられています。そうなると、憲法改正の発議に、一歩近づいたと言えます。憲法の改正について、民主党のスタンスを教えてください。
加藤「我が党のスタンスということから言えば、まず、何を変えるのか、という意味で、しっかり議論をすべきだと思っています。そういうことがまだ、提起されていない段階で、我々としては、立憲主義、国民主権、平和主義という、現行憲法の極めて重要なことについては、これを大切にしながら対応していくということであります。
足らないところを補っていくということについては、それはそれで、議論の仕方によると思いますが、最終的には、やはり国民の、幅広く深い議論が必要ではないかと思います」