「今がピークの安倍首相による解散総選挙は『玉砕選挙』」――「社会に巣食う『わるいやつら』出てこいや~! トマトーーク vol.2」 2014.11.22

記事公開日:2014.11.25取材地: テキスト動画
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 「沖縄県のような県を挙げた運動に、日本全国が取り組めば、安倍政権を打倒できると思います」

 格差社会における貧困問題、ヘイトスピーチなどに見られる人種差別問題、カルト宗教による被害問題……。さまざまな社会問題に真摯に向きあい、それぞれが住む地域から、草の根的な活動をどのように始め、継続させていくことができるのか。

 多様な分野で独自の取り組みを続けるゲストたちによるトークショー、「社会に巣食う『わるいやつら』出てこいや~!トマトーーク vol.2 ~今夜は北区で闘魂ナイト」が11月22日、午後7時より、JR十条駅前のカフェ、cinecafe sotoで行われた。

 第二回目を迎える今回のゲストは、反貧困ネットワークの代表世話人を務める宇都宮健児弁護士、レイシズムを乗り越える「のりこえねっと」共同代表を務める辛淑玉氏、日本脱カルト協会理事を務める恵泉女学園大学学長の川島堅二氏。三者三様の立場から、12月14日に投開票が行われる総選挙を目前に、投票行為をはじめとする社会参加のありかたについて語った。

 都内外から駆けつけた参加者で立ち見が出るほどの満員となった会場は、困難な問題に果敢に立ち向かうゲストたちのユーモアあふれる体験談にわきかえり、喝采の絶えないトークショーとなった。

■ハイライト

  • トーク
    貧困と闘う 宇都宮健児氏(弁護士、元日本弁護士連合会会長)
    差別と闘う 辛淑玉氏(人材育成コンサルタント、のりこえねっと共同代表)
    カルトと闘う 川島堅二氏(恵泉女学園大学学長、日本脱カルト協会理事)
  • 日時 2014年11月22日(土)19:00~21:00
  • 場所 cinecafe soto(シネカフェ・ソト)(東京都北区十条)
  • 主催 トマトの会 (Facebook)(詳細

※以下、発言要旨を掲載します

「仲間をどう集めるかが重要」――犬と猿をともに従えた桃太郎のように

宇都宮健児弁護士(以下、宇都宮・敬称略)「私は喧嘩も強くないし、武闘派でもないのですが、駆け出しの頃、たまたま、多額の負債を抱えた、私より弱そうな人が助けを求めに来たので、私が引いてしまうといけないと思いました。それ以来、そういった方々を支援する弁護士活動を続けています。

 2000年に『ヤミ金対策会議』を結成し、これまで18回のヤミ金融への告発をしてきて、66000社を刑事告発をしてきました。2003年、山口組系五菱会が摘発され、大きな暴力団がヤミ金から撤退したのを契機に、振り込め詐欺問題に取り組み始めました」

辛淑玉氏(以下、辛・敬称略)「3歳か4歳の頃、私は自分が朝鮮人だと知った時、とても嬉しくて、近所中に触れ回りました。辛淑玉という本名の他に、新山節子という通名があります。(差別主義者によって)どんなに叩かれようとも、辛淑玉も、新山節子も、どちらも私なんです。どちらも否定されたくはありません。『朝鮮人です。女です。なんか文句あるか』という調子で暮らしています。

川島堅二氏(以下、川島・敬称略)「敬虔な信仰を持ったクリスチャン・ホームで育った私は、カルト宗教と闘う、というテーマを持って活動してきました。

 1995年の地下鉄サリン事件後、宗教学者の中沢新一氏や島田裕巳氏がオウム真理教に関して書いてきたものを改めて読み返してみると、彼らがオウム真理教をむしろバックアップしていたことに気づきました。非常にショックを受け、 自分が受けてきた宗教学を問いなおすこととなりました。被害者の方や、宗教学者、メディアの人を含めた『日本脱カルト協会』を1995年に結成し、今は理事を務めています。

 また、インターネット上に宗教相談のページを開き、読者からの相談を受けたり、『全国カルト対策大学ネットワーク』の発起人の一人として、学生のカルト宗教による被害対策を進めています。

 カルト宗教の信者というのは、法に則って行動する、ということが通用しません。彼らは、法律ではなく、神の法に従っています。『サリンを撒くというのは、この世での犯罪でしょう。それは神の法においては、むしろ善である』という論法を使うため、カルト対策の仕事をする上で、身の危険を感じることもあります。

 そのため、賢い闘い方をしないといけません。一人で闘ってはいけません。個性が強く、仲の悪い犬と猿の両方を従え、鬼に挑んだ桃太郎のように、仲間をどう集めるか、がミッションを遂行するにあたっては重要です」

「誰かがやらないと」――粘り強い活動のモチベーション

辛「歴史を振り返れば、在日だけではなく、国家の敵とされたさまざまな先輩たちが、声すら上げられず、朽ち果てていきました。私は、学校には不登校続きでしたが、幸い社会に出て、仕事をすることができました。温かい食事を摂れて、病気の時は薬を買える、そういう経済力を持つことができた私は、運がいいと思っています。そういうことを考えると、私は人前に出て、こうして活動をする責任を感じます」

宇都宮「たかが借金のせいで命を危うくなる、という今の社会で、目の前にいる人たちだけを救済していても埒があかないと思い、背中を押されるように、マスコミの前で彼らの声を代弁するという活動を始めました。口下手で、落ちこぼれ弁護士であった私は、はじめからメディアに出て活動をしようと思ったわけではなく、貧困問題の弁護士活動を続ける中で、『誰かがやらないと。私が逃げることはできない』と考えました」

衆議院解散総選挙に臨んで――安倍総理に言いたいこと

(…会員ページにつづく)

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