差別やヘイトスピーチの根絶を訴えるデモ「東京大行進2014」が今年も行われた。差別のない未来をこどもたちへ託そうというテーマのもと、約2800人(主催者発表)の参加者が東京・新宿駅の周辺を練り歩いた。昨年に続き、二度目の開催となった。
(IWJ 原佑介)
差別やヘイトスピーチの根絶を訴えるデモ「東京大行進2014」が今年も行われた。差別のない未来をこどもたちへ託そうというテーマのもと、約2800人(主催者発表)の参加者が東京・新宿駅の周辺を練り歩いた。昨年に続き、二度目の開催となった。
■ハイライト
参加した女性は、「私自身障害者なので参加しようと思った」と述べ、「デモをやっても変わらないという人もいるが、動かないよりは動いた方がいい」と話した。
そして在特会などの差別デモについては、「同じ人間なのに、なんでそういうことするのかがわからない。もし自分たちが外国で暮らしていて、同じことをされたらどう思うか。差別する権利はない」と批判した。
サッカーユニフォームを着ていた男性は、「差別は無意識にしてしまうこともあるかもしれないが、こうすることで潜在的な差別意識に気づいてほしいと思って参加した」と語った。
その上で「サッカーもそうだが、スポーツは差別を超越したなかで協議を通じて交流を深めるもの。オリンピックもあるが、ぜひ、差別をなくしていきたい」と差別撤廃への意気込みを語った。
朝鮮の民族衣装である「チマチョゴリ」を可愛くアレンジして着ていた17歳と18歳の女子高生二人組は、「差別をなくしたい。あとK-POPが好きなので、新大阪駅の排外デモにカウンターに行っていた。カウンターもいいけど、こういうふうにデモをして、差別撤廃を訴えていくのがいいと思って参加した」と話した。さらに、「在日の友達が、この前、初めて『生きづらさを感じている』と話してくれて、自分の大事な友達がそういうふうに思って生活するのが嫌だと思って、今日は歩きにきた」と続けた。
デモでは、「差別 完全にダサい」「NO! ヘイトスピーチ」「TOKYO AGAINST RACISM(東京は差別に反対する)」などといった、差別反対をアピールするプラカードが多数、掲げられた。
行進中はシュプレヒコールが少なく、マーチングバンドやサウンドカーがにぎやかな音楽を街に響かせた。新宿をゆく歩行者らは、この行進がデモなのかパレードなのか、判別がつかないのだろう。ものめずらしそうに行進を眺めながら、主旨を理解しようとする歩行者の姿が目立った。
差別・排外問題の取材を重ね、在特会の実態を追った「ネットと愛国」を著したジャーナリストの安田浩一氏は、サウンドカーに乗ってスピーチした。
「東京で、大阪で、福岡で、札幌で、名古屋で、さまざまな場所で差別が溢れかえっている。ヘイトスピーチが、そしてヘイトスピーチにともなう暴力が今、私たちの街を汚している。人間の尊厳を傷つけている。これを絶対に許さない。ヘイトスピーチは、『言葉の暴力』ではなく、『暴力そのもの』だ。ヘイトスピーチを許さないのは、言葉が汚いからではない。ヘイトスピーチが暴力である以上、私たちは暴力を容認する社会を認めてはならない」
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