【新宿区長選】区民は新しい区政を求めるか?!〜「憲法を壊す安倍政権と新宿区から対決する」岸まつえ候補インタビュー(聞き手:ぎぎまき記者) 2014.11.6

記事公開日:2014.11.8取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・ぎぎまき)

 11月2日に告示された新宿区長選挙は、9日に投開票日を迎える。

 候補者は、自公推薦で前都議会議員の吉住健一氏と、無所属・新人で弁護士の岸まつえ氏の二人。IWJは両候補にインタビューを申し込んだが、吉住候補については、選挙活動が多忙であることを理由にインタビューが実現しなかった。岸まつえ候補からは承諾を得て、11月6日、岸候補の選挙事務所でインタビューを行った。

 岸氏は、22歳で第一子を出産後、子育てをしながら新聞記者に就き、42歳で弁護士に転身。一人一人の個人を尊重する日本国憲法を道標に、女性や労働者の権利を守る人権弁護士として活躍してきた。

 過去10年間、新宿区であらゆる相談に乗ってきた経験をいかし、今回、区長選に立候補。基本政策として、憲法改正、集団的自衛権、秘密保護法、国家戦略特区、消費税増税、原発のすべてに「反対」を掲げている岸氏は、安倍政権に真っ向から対立する。

 なぜ、新宿区長選に立候補をしたのか、どんな新宿区政を目指すのか、具体的な政策について触れながら、岸候補のインタビューは60分間におよんだ。

記事目次

■ハイライト

  • 日時 2014年11月6日(木) 21:00~
  • 場所 岸まつえ事務所(東京都新宿区)

※ 以下、インタビューの文字起こし(一部要約)

マタニティ・ハラスメントの経験を経て新聞記者に転身、憲法と出会い弁護士に

IWJ「自己紹介を兼ねて、立候補した動機を教えてください」

岸候補「早く結婚して子どもを持ったこともあり、子どもを抱えながらの就職活動に大変苦労しました。やっと正社員として就職できた職場でも、保育園のお迎えがあり(残業ができず)、一ヶ月で解雇。公務員試験も受け、筆記試験で合格するも、子育てや夫の転勤が多いことを理由に2次試験で落とされました。働いて自己実現をしたいという思いがありましたが、子どもがいるということで、大きな挫折を味わったのです。

 その後、新聞記者という職に就き、日本国憲法や女性差別撤廃条約というものを勉強する機会を得て、その中で、過去、女性だからと言って、就職試験で採用されなかったことは、間違っていたんだということに気がつきました。憲法を読んで、『あの時の怒りは正しい怒りだったんだ』と。

 子どもがいるから、夫が転勤するからといって、能力を発揮する機会が与えられないのは差別だし、間違っている。その経験をきっかけに、自分からは遠いと思っていた法律は、もっと自分に引きつけて考えることができるものになりました。そして、弁護士を目指しました」

「女性だからと言って諦める必要はない」、それを教えてくれたのが憲法

岸候補「約10年、新宿区内で弁護士としてみなさんの相談に乗りながら、憲法9条を守る活動もしてきました。この日本で、平和に暮らしていることは尊いこと。世界各地で戦争が起きていることはとても残念です。

 日本国憲法ができる前の明治憲法は、国民主権でもなければ女性の権利も認められていなかった。組合活動も弾圧され、表現の自由もなかった。人権というレベルでは不十分な憲法でした。その中で戦争へと繋がり、日本は大きな犠牲を払い、反省のもとに、現在の日本国憲法ができたんです。武力で解決しないという9条の精神、一人一人を尊重する精神をうたうのが日本国憲法。その憲法から派生する法律を使って、困っている人たちの援助ができる弁護士という仕事にやりがいを感じました。

 『女性だからと言って諦める必要はない』ということを教えてくれたのが憲法です。自分の人生を切り開いていってくれた宝物であり、道標です。それは、私に限ったことではなく、本来、憲法というのは、一人一人が大切にされる、素晴らしい条文が沢山あります。憲法を知ることで、自分の人生を見つめ直す、自分の人生の主人公になるきっかけというか、そういう力のあるものだと思っています」

憲法を壊し、個人の尊重を蔑ろにしようとする安倍政権と新宿区から対決する

岸候補「その大切な憲法を、安倍首相や自民党政権は目の敵にして、ずっと変えようとしています。

 昨年(2013年)、各政党が改憲草案を書いたり、今、実際に国会では、憲法を変えた方がいいという人たちが多数派を占めています。一番大きいのは、集団的自衛権の問題。幾千万の大きな犠牲を経て、日本が掴みとった大切な条文である憲法9条の魂を、集団的自衛権を行使することで、抜き取ろうとしている。

 やはり許せません。日本弁護士連合会としても反対しています。日弁連の宇都宮健児前会長や、俳優の宝田明さんも、9条を守りたいということで私を応援してくれています。

 正直言って、区長選に出ることは、私が想像していたことではありませんが、約10年間、弁護士としてだけではなく、9条の会や平和を求める市民団体と一緒に守る取り組みをしてきた中で、今回、『区長選に出てもらえないか』という話があって、区長選とは言え、憲法が危機に瀕している時に、依頼をしていただけることは、自分の使命だと感じています。

 迷いもありましたが、微力でも、力になれるのであれば、やりましょうと。やるからには勝つ選挙をしましょうと。

対立候補の吉住氏は「日本会議」所属、「がっつりと対決したい」

 今、私が、安倍政権の話をしているのは、この新宿区が日本の中心であること、また、対立候補(吉住健一氏)は、日本会議の方です。

 安倍さんと近い方と論戦をしながら、新宿区から憲法9条の話をしていける。自民党の改憲草案の中では、憲法9条だけではなく、一人一人の人権、個人の尊重すらもひっくり返っている。そこも許せないし、違うと思っています。がっつりと対決をして、自分の主張をしていきたい」

中山前新宿区長の区政を継承する吉住候補、区民は新しい区政を求めているのか

IWJ「岸候補は、憲法改正や集団的自衛権だけではなく、秘密保護法、消費税増税、原発にも反対されています。安倍政権に真っ向から対立しているわけですが、その政府与党の推薦を得ているのが吉住候補で、過去3期を務めた中山前新宿区長の区政も継承しています。これまで選挙活動をされてきた中で、新宿区民がこれまでとは違った区政を求めている感触はありますか」

岸候補「手応えをすごく感じています。そもそも、新宿区長選は、前回が26%と投票率がすごく低い。しかし、新宿区というのは、学生、若い方、子育て世代、高齢者など、各世代がいて、外国籍の方も11%いる。セクシャルマイノリティの方もいて、本当に多様な方たちが多文化共生しています。ヘイトスピーチの問題などはありますが、新宿区の、その懐の深い国際都市という可能性を、私はかっています。

 お互いを尊重し合い、それぞれが大切にされるというのは、まさに日本国憲法の理念。その新宿区のみなさんであれば、私の訴えが届くのではないかと思っています。

 演説をつじつじでやりますが、最初は、女性や高齢の方が『今の安倍さん心配よね』と手を振り返してくれる傾向でしたが、今は、ネクタイを閉めたビジネスマンの方も、『がんばって欲しい』と声をかけてくれるようになっています。

 ツィッターでフォローしてくださる方も増えました。約10年間の弁護士活動で、トラブルの相談に乗った色々な方たちが、『こんなお手伝いができる』と連絡をくれ、『何か出来ることはありますか』と事務所に来てくださる方もいます」

新宿区の待機児童は400人、ホームに入所待ちの高齢者は1000人、潤沢な区の財政で問題は解決できる

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「【新宿区長選】区民は新しい区政を求めるか?!〜「憲法を壊す安倍政権と新宿区から対決する」岸まつえ候補インタビュー(聞き手:ぎぎまき記者)」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    【東京・新宿区長選】「憲法を壊す安倍政権と新宿区から対決する」岸まつえ候補インタビュー 聞き手:ぎぎまき記者 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/203946 … @iwakamiyasumi
    対立候補は自公推薦で日本会議の吉住健一氏。こんな分かりやすい選挙はない、新宿区民は選挙へGO!
    https://twitter.com/55kurosuke/status/531001463359549442

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