「東京を、世界一福祉が充実した街にしたい」―。
東京都知事選の告示日である1月23日、自民党と公明党が推薦する舛添要一元厚労相が新宿駅西口で第一声をあげた。
舛添氏はまず「今から30年以内に、70%の確率で、大きな地震がこの東京を襲うと言われています」と語り、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを成功させるためにも、「防災対策をしっかりやらなければならない」と足を止めた聴衆に訴えた。
舛添氏は「私は母親の介護を通じて、本当に医療・介護の重要性を痛感しました。皆さんの命を守る、医療・介護・福祉。これをしっかりとやっていきたい。出産の問題、救急医療の問題、そして子育て、待機児童。これらの問題を何とかしたい」と語り、「厚生労働大臣の経験を活かし、全力をあげて、東京を、世界一福祉が充実した街にしたいと思います」と力を込めた。
- 日時 2014年1月23日(木) 10:30~
- 場所 JR新宿駅西口(東京都新宿区)
「舛添氏は無所属で出馬」自民党・石破幹事長は現れず
自民党推薦であるにも関わらず、石破茂幹事長はこの日姿を現さなかった。1月22日付の産経新聞記事によると、当初は石破幹事長と公明党の井上義久幹事長が一緒に街宣を行う予定だったが、公明党側が「舛添氏は無所属で出馬するのに党本部幹部が一緒にいるべきでない」と求めたことから、急遽応援を取りやめたという。
急遽ピンチヒッターとして駆けつけた自民党・石原伸晃環境相は「私は、舛添要一さんが厚生労働大臣の時に近くで見ていました」と前置きしたうえで、「彼は行政手腕があります。やはり大切なのは行政手腕です。それから忍耐力!そして胆力!」と語り、舛添氏を応援した。
選対本部長の深谷隆司元衆議院議員は、脱原発のシングルイシューを掲げて出馬した細川護熙元総理について、「私は平成6年、細川政権が誕生した際、予算委員会の筆頭理事として細川政権を倒す筆頭に立った人物です」と語ったうえで、「細川政権打倒のきっかけとなったのが、佐川急便からの1億円借入問題でした。辞任した猪瀬さんと細川さんはまったく同じ問題を抱えているのです!」と批判した。
さらに深谷氏は「細川さんは、脱原発というワン・イシューでやるそうです。だったら、私も、佐川問題というワン・イシューで、とことん追及しようと思っております」と意気込んだ。
【記者雑感】
平日昼前の新宿駅ということもあり、人はさほど多くなく、聴衆も偶然足を止めた人がほとんどだった。舛添氏支持のリタイア組の男性は、「都知事にグレーな人はいらない」と語った。記者が「舛添氏はクリーンということですか?」と聞くと、「いや、政治の世界には色々あるんだよ。あとは2期やってもらうにはやっぱり若い人じゃなきゃ」と語ったのが印象的だった。
ここに最後の佐々木記者のインタビューに登場する「リタイヤ組男性」風人物が面白い。これが安倍ちゃん内閣を支える支持者層のレベルだと思った。「桝添はいいね。グレイは要らない真っ青な空がいい。年齢高い人は2期やらなきゃいけないので難しい。」ネットで流れる桝添人物象は全く知らない感じで、言葉が綺麗で景気が良ければ「良い」「悪い話しは気分が落ち込むので聴きたくない」としてしまう。個人的妄想だが、退職金を全部株につぎ込んで株価が上がることだけが頼りという感じの人だ。風体は感じのよさげな人だが、こういった層の人に、大手マスメディアが伝えない社会の大事な事柄をどう認識させるか。考えないといけない。考え過ぎて独立系メディアの個性や意義や価値まで損なわれるのは避けて欲しいが、この男性の意識を変えるにはどうするのが有効か?現場的な選挙戦略を考えないと現実政治を変えるのは難しい事になっている。