舛添都政 東京独自色を語る一方、国とのパイプも強調 規制撤廃には強気 2014.7.30

記事公開日:2014.7.30取材地: テキスト動画
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(IWJ・藤澤要)

 舛添要一東京都知事が7月30日、日本外国特派員協会で会見を行った。「知事就任から5ヵ月を経て、本格的に新しい都政が開始された」と語る言葉の端々からは、「東京国際金融センター」構想に代表される、規制撤廃重視の経済政策を推進しようとする姿勢が窺われた。また、外交都市としての東京を語る際には、国レベルの外交とは距離を置くとする一方で、安倍晋三総理との個人的な親密さをアピールした。

■ハイライト

舛添知事が「変える」東京:金融街には車が走らない?

 舛添知事は、2020年のオリンピック開催に向け、東京を「変える」ための計画が進行中だと強調。現在の成果として、虎の門ヒルズが先月オープンしたことや、環状2号線の一部開通を挙げた。トンネル区間を含む環状2号線については、「規制撤廃を象徴するもの」だとし、オリンピック会場への接続が予定されていることから、「オリンピック/パラリンピック・ロード」と呼称するように呼びかけた。また、丸の内仲通りを自動車禁止にする考えを明らかにし、東京中心部の「脱車社会化」を目指すと述べた。

 さらに舛添知事は、「東京をグローバルなビジネス拠点へと変える」との意欲を語り、「東京国際金融センター」構想を発表。東京をウォール・ストリートやシティのような金融活動の拠点に改造するというこの構想では、都が所有する土地を利用し、「公民連携(PPP)」による事業を進める機会を拡大させていく予定だとした。この構想について舛添知事は、「都が国に先駆けてできることだ。なぜなら霞ヶ関の縦割り主義がないからだ」と強い自信を見せた。

 一方、オリンピック競技場計画の見直しについては、当初の計画では10の競技会場の新設が予定されていたが、妥当性の検討が必要だとした。舛添知事は、「競技場がどのような遺産となって残されるのか、市民の生活にどれほどの影響を与えるのか」と述べ、増加する建設費も考慮する必要があると続けた。その上で、迅速に見直し作業を進める予定であると話した。

「東京にしかできない外交」

 都市外交の推進を強調する舛添知事は、「東京にしかできない外交をする」と述べ、その結果が「民間セクターが経済から芸術にまでおよぶ領域で交流するための基盤」となるものだとした。

 4月の訪中に触れた舛添知事は、大気汚染をはじめとする諸問題での協力関係に関する合意があったと成果を強調。東京都知事に対する北京市長からの招待が18年ぶりだったと述べ、「21世紀に向かう東京と北京との友好の扉が、ついに開かれた」との感慨を語った。さらに、この訪中を通じ、日中の民間セクターにおける経済交流が再活性化することに対して、「強い期待」を持っていると述べた。

 先週のソウル訪問については、治安、環境問題、福祉、公衆衛生、オリンピックおよびパラリンピックなどの分野における、ソウル市との協力関係についての合意を成果として挙げた。また、ソウル大学でプレゼンテーションを行い、学生たちと活発な議論をしたと述べた。

 さらに、パク・クネ大統領との会談については、安倍総理からの日韓関係を改善する希望を伝えたと語った。パク大統領からの返答はすでに菅官房長官に伝えたとし、安倍総理とは南米歴訪から戻る来週に会う予定だと話した。

経済特区の方針

 質疑応答で、「『経済特区』に関して言及がなかったが」との質問に対し舛添知事は、「東京には国道、都道、そして区道がある」と例示し、都ではその管轄外にある区域に関して権限を持たないと、まず答えた。その上で次のように続けた。

(…会員ページにつづく)

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