2014年6月21日(土)13時より、福岡県北九州市小倉南区の北九州市立大学で、九州玄海訴訟北九州地域原告団主催により、詩人・翻訳家のアーサー・ビナード氏による講演会「美しい『あべリカ』へようこそ」が行われた。会場となった101号教室は、満員となり300人以上が詰めかけた。
ちなみに、北九州市のすぐ隣は山口県下関市であり、安倍総理の選挙区でもある。
(IWJ中継市民 こうの みなと)
2014年6月21日(土)13時より、福岡県北九州市小倉南区の北九州市立大学で、九州玄海訴訟北九州地域原告団主催により、詩人・翻訳家のアーサー・ビナード氏による講演会「美しい『あべリカ』へようこそ」が行われた。会場となった101号教室は、満員となり300人以上が詰めかけた。
ちなみに、北九州市のすぐ隣は山口県下関市であり、安倍総理の選挙区でもある。
記事目次
■全編動画 1/4 総会
■全編動画 2/4
■全編動画 3/4
■全編動画 4/4 ビナード氏講演
アーサー・ビナード氏の講演会に、先立ち、「原発なくそう!九州玄海訴訟・北九州地域原告団」の総会が行われた。
「原発なくそう!九州玄海訴訟」は、佐賀県にある九州電力玄海原子力発電所の廃炉を求める訴訟で、九州北部の総勢約170人にものぼる弁護団が中心となって活動している。
原告1万人を目指す大規模な集団訴訟であるが、今年6月3日の段階で、8000人を突破したとの報告がなされた。5月21日に、福井地方裁判所で出された大飯原発の運転差し止めを命じる判決をきっかけに、原告になる人が急増したという。
今後も随時、原告を増やしていくことを目指しており、次回は9月10日前後の追加提訴を行う予定である。
14時からは、アーサー・ビナード氏が登壇し、2時間15分の長時間にわたり講演をおこなった。
2007年、第1次安倍政権の目玉政策の柱として掲げた「イノベーション25」。
ビナード氏は、「現在、この政策を記憶している人は、ほとんどいないが、この政策こそが、現在の安倍政権でも根幹となる政策であり、中身も人物も基本的には変わっていない。」と指摘する。
「イノベーション25」とは、安倍政権(当時)の所信表明演説に盛り込まれた公約の1つであり、2025年までを視野に入れた成長に貢献するイノベーションの創造のための長期的戦略指針のことである。「イノベーション25」の策定を重点的に進めるため、イノベーション担当大臣として当時任命されたのは、高市早苗氏だった。
「イノベーション25で示された未来とは、個人の位置をいつでもどこでも特定し、監視下に置くための公共投資」である。しかし、「『災害時に役に立つ公共投資』と言われれば、国民は思考停止に陥り、内容を点検しない。」とビナード氏は警鐘を鳴らす。
「特定秘密保護法」「マイナンバー法」「イノベーション25」これらは、全て全体主義的国家を目指す政策である。
「イノベーション25」は、第2安倍政権で「オリンピック20」に形を変え、安倍政権は、無限の公共投資を行おうとしている。「オリンピックのテロ対策」という名目で、国民監視を更に高めるのは、いとも簡単である。
今年4月に、オバマ大統領が来日した際に、「『アメリカ政府は、日本の集団的自衛権の行使容認を歓迎し支持する』と日本のメディアは一斉に報道したが、どこの社も全て漢字の変換ミスをしており、正しくは『指示する』である。」と、ビナード氏は、ユーモアを交えて指摘した。
アメリカでは、かつて戦争省(United States Department of War)が存在した。それが、第二次世界大戦後の1948年に、国防総省 (Department of Defense)に改名された。つまり、この時からアメリカが行う戦争は、例え実態が全て侵略戦争であろうと、全て建前は、自国を守る自衛戦争となったのである。
また、アメリカ合衆国憲法では、議会が戦線布告(Declaration of War)を行わないと戦争を始められないと定められているが、1941年12月、真珠湾攻撃を受け日本に対して行った戦線布告を最後として、その後、アメリカが行った約220の戦争では、憲法に違反して、相手国に対して議会による戦線布告が行われていない。相手が、ベトナムであろうとイラクであろうと、全ては自衛戦争だからというのが、その理由である。
つまり、アメリカは日本よりも70年近く前に、憲法を解釈改憲して死文化し、集団的自衛権を行使する形で、自国の軍産複合体を潤す為に、世界中で戦争を行っているのである。
「安倍首相は、オバマ大統領の『どれいモン』となり、『どこでも派兵ドア』を出そうとしている。」と、ビナード氏は、駄洒落を交え痛烈に批判した。
国民からの拒否反応が強い「集団的自衛権」をきれいな包装紙で誤魔化す為に、安倍政権のコピーライターが考え出した言葉が、「積極的平和主義」である。
しかし、元々、平和学における「積極的平和」とは、単なる国家間の戦争や地域紛争がない状態に加え、社会における貧困や差別などがない状況を指している。また、「積極的平和主義」とは、そうした積極的平和を志向する主義を指す言葉である。
しかし、安倍政権は、国民が積極的平和主義の本来の意味を知らないことをいいことに、この言葉を乗っ取った。「武器輸出三原則」を壊し、武器や原発をどんどん海外に輸出する形で日本の軍産複合体を育てようとしている安倍政権の政策は、元来の「積極的平和主義」とは、対局をなすものである。
「このようなことに、騙されないためには、過去をきちんと理解し記憶することが大切である」と、ビナード氏は、講演の中で繰り返し強く訴えた。
そして、「国家権力に歯止めをかけるのが憲法の役割であり、私たちは憲法をもっと理解した上で使っていかなければならない。その具体的な方法が裁判である。」とビナード氏は、最後を締めくくった。
本論に入る前に、目立ちたがりの素人がしゃべりまくる。
こんな集会に誰が行きたいと思うのか。
国民を騙して憲法を黙殺するのは、アメリカが先行モデル?政府の騙しの手口をアーサーさんが楽しく解説
忘れないため、語り継ぐために何が必要かアーサーさんは珍しく強い口調で問いかける。私たちは本当に語っていたか?
#アーサー・ビナード氏
➡さすが、反核詩人だ!
「安倍首相は、オバマ大統領の『#どれいモン』となり
『#どこでも派兵ドア』を出そうとしている。」
「原発なくそう!九州玄海訴訟」は原告総数8000人を突破
ビナード氏「イノベーション25。現在、この政策を記憶している人は、ほとんどいないが、この政策こそが、現在の安倍政権でも根幹となる政策。」
アーサー・ビナード氏「アメリカでは、かつて戦争省が存在したが、1948年に、国防総省に改名。この時からアメリカが行う戦争は、侵略戦争であろうと、全て建前は自国を守る自衛戦争となった。」