「アメリカのペテンを見抜けない、われわれにも責任がある」 〜アーサーのペテン学講座 憲法を活かす力を蓄えるために 2013.11.18

記事公開日:2013.11.18取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 「重要な情報を自ら取りにいくためには、社会にあふれるペテンを見抜く能力が求められる」──。

 2013年11月18日、東京の八王子市学園都市センターイベントホールにて、詩人で作家のアーサー・ビナード氏を講師に迎え、PLEASE NO WAR市民の会、I 女性会議(あい・じょせいかいぎ)八王子支部、館町ひとの会主催による「アーサーのペテン学講座 憲法を活かす力を蓄えるために」が行われた。

■ハイライト

私たちは「ペテン学」を学ぶ必要がある

 はじめに、歴史や国語、社会など、あらゆる学問の背景に存在する「ペテン」を学ぶ必要性を説いたビナード氏は、「誰しもが、これまで誰かにだまされた経験を、どこかでしていると思う。ペテンに対する印象というのは一人ひとり異なると思うが、ペテンというと、どこか技術的に高度なプロの匂いがする」と指摘した。

 その上で、多くの広告が社会にあふれている現在、人々をどのように操るか考え抜かれたPR広告の手法が、ペテンと同じであることを解説。広告やコマーシャルの技術と、メディアの構造を理解するために、「ペテン学を学ぶ必要がある」とし、「今や、広告のない空間はない。広告と、意味のある情報をどのように見分けるか。それを考えることが、ペテン学。広告があふれている私たちの生活の中で、どのように重要な情報を自ら取ってくるか。そういう能力が求められている」と述べた。

 続いて、そのペテンを見抜くには、「昔の人々が、だまされないための知恵を伝えるために語り継いできた『舌切り雀』や『かちかち山』など、昔話に対する理解を深め、体に染み込ませる必要性がある」と主張。「ペテン学のマニュアルでもある昔話を読み込むことが、一番効果的なメソッドである。大人にこそ、昔話の教訓は必要なのである」と説明した。

「高度経済成長」「集団的自衛権」などは国民をだますための造語

 ビナード氏は「第二次世界大戦の時、米軍が日本に対して使用した焼夷弾が、ベトナム戦争時には『ナパーム弾』と名称を変えて報じられた。焼夷弾という言葉が日本国民に戦争体験を蘇らせ、反戦運動などが盛り上がるのを防ぐために、広告代理店によって意図的に変えられたのだ」と、その背景を説明した。

 続けて、「高度経済成長、集団的自衛権、積極的平和主義、原子力の平和利用。すべて、コピーライターが国民をだますために作った言葉である」と述べ、「日本は経済成長と引き換えに、アメリカの下請けとして、経済と軍事を結びつけ、戦争に加担し、環境を破壊し続けてきた。それは、いまだに続いている。このペテンを見抜けないところに、現在、起こっている問題の原因があり、それは、われわれの責任でもある」と語った。

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「「アメリカのペテンを見抜けない、われわれにも責任がある」 〜アーサーのペテン学講座 憲法を活かす力を蓄えるために」への1件のフィードバック

  1. 福川 世志明 より:

    途中音声が消えたところがあったけどアーサーさんの命を守るためだと思って文句言いません。でも聞きたかったな。

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