2014年6月13日(金)11時より、原子力規制庁庁舎にて、新委員候補の田中知(たなか さとる)氏のぶら下がり取材が行われた。「経験と知識を最大限に生かして、原子力規制委員会の目的のために、しっかりやっていく」と抱負を語った。
2014年6月13日(金)11時より、原子力規制庁庁舎にて、新委員候補の田中知(たなか さとる)氏のぶら下がり取材が行われた。「経験と知識を最大限に生かして、原子力規制委員会の目的のために、しっかりやっていく」と抱負を語った。
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自身の研究室が原子力関係団体から寄付を受けているという田中氏は、規制委員会の独立性・中立性をどう考えているのかと記者から質問され、「私の方からコメントする立場にない」と答えた。しかし、国会の議論では、おそらく寄付の件も含めて決定されたのだから、それを深く重く受けとめるという。
規制委員会というのは、国民の安全と人と環境を守るという大きな目的がある。田中氏は、「専門的な観点から検討するというところは、大きな目的なので、それについては目的をしっかりと感じながら、やっていきたいと思う」と述べた。
原子力ムラ出身だという声に対して「もちろん原子力ムラという考え方もある」と田中氏は答え、原子力教育と研究に関与してきたということで事実であり、「そこできた経験と知識を、最大限に生かして、原子力規制委員会の目的のために、しっかりやっていく」と抱負を語った。
再稼働に関して田中知氏は、規制委員会はあくまでも、新規制基準に則って適合性の評価をするというところであり、その結果を国民に説明するという責務がある。それを踏まえて、再稼働するかどうかを、政府等が判断するところだと述べた。
世界一厳しい規制基準ということについては、「世界一とか、リスクはゼロとか、言った瞬間にいろんな改善的に継続的にそれを改善する力がなくなるとすれば、それは、よくないと思う」との考えを示した。
原子力学会では、福島第一原発の事故の原因は全て分かったという立場を、「大飯原発運転差止め裁判の判決に関する見解」として表明している。事故の原因が明確になっているという理解で良いか、記者の質問に田中知氏は「はい」と答えた。
しかし、今後の事故調査に関しては、「これから廃炉作業が具体的に進んでいく中で、より明らかになっていくことも多いと思う。そういうやつを、例えば事故進展とかにどんどんフィードバックしていくことは重要だ」との考えを示した。
調査報告を出したら後に、どうしていくかということについて、田中氏はこう続けた。「如何に、人智の限界、あるいはリスクがゼロにならないんだということを意識しながら、継続的改善をどうしていくのかということだ。だから、逆に言うと、総合的に判断をして、あと何が大事なのかということを分かってやっていくことが大事だと思う」
原子力の必要性について、考えを尋ねられた田中氏は、「原子力政策については、コメントあるいは発言しないようにしております」と答え、また、規制委員候補に打診された時期についても、「人事的なことなので、答えないほうが良いかと思います」と発言を控えた。