「先生すみません、犯人でした」片山被告、駅のホーム下から電話 〜PC遠隔操作事件 佐藤博史弁護士 緊急記者会見 2014.5.20

記事公開日:2014.5.21取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/奥松)

 「片山被告がすべきことは、真実をすべて語ることである」──。

 2014年5月20日午前9時50分頃、PC遠隔操作事件の片山祐輔被告が、「自分が真犯人であること」「5月16日送信の真犯人を名乗るメールも、自身が送ったこと」を認めた、との報道が流れた。東京地検は午前11時頃、片山被告の弁護人、佐藤博史弁護士の事務所で、片山被告を拘束し連行した。佐藤弁護士は、午前11時30分過ぎから司法記者クラブで会見を行った。

 佐藤弁護士は、19日の午前中から連絡が取れなくなった片山被告から、夜になって電話が入ったと語り、「すべての犯行を認めた上で、彼は死のうとしていた」と話した。「自殺を思いとどまるように説得した。翌朝、再び電話があったので迎えに行き、東京地検に連絡した」と、片山被告が収監されるまでの経緯を時系列で説明した。

 「片山被告とのやりとりで知り得たことは、すべて話す」とした佐藤弁護士は、5月16日に送られた「真犯人メール」の文中に、片山被告の犯行を立証する重大な手がかりがあったと指摘。「メール送信に使ったスマートフォンが捜査員に発見されたことで、彼は、すべての犯行を認めざるを得なくなった」と述べた。

 質疑応答の中で、佐藤弁護士は「片山被告に対して否定的な感情はない。弁護士の仕事を続けていれば、常に起きること」と冷静に語り、今後も弁護人を続けることを表明した。また、片山被告が自らをサイコパスと語ったことを明かした上で、「彼の心理面について、われわれは配慮するべきだった」とした。

 さらに、決定的な証拠に欠けたままでの逮捕、情報リークとメディアスクラム、検察側が取り調べの可視化に応じなかったことなど、いくつもの要因が、片山被告に有利に働いたことに言及。「このような大きな事件になったことを、しっかり検証しなければいけない」と述べた。

記事目次

■ハイライト

  • 収録 2014年5月20日(火) 11:30頃~
  • 配信 2014年5月20日(火) 13:15頃~
  • 場所 司法記者クラブ(東京都千代田区)

死のうとしたが死にきれず、私に電話をかけてきた

 佐藤弁護士は「昨日(19日)からの経緯を説明します」と、会見を始めた。「昨日の夜になって、片山被告から電話が入った。『先生すみません、自分が犯人でした』と言って、自分がすべてやったことを認めた」。

 「昨日の午前、片山被告は保釈取消請求が出された件で、私の事務所に向かっていたが、インターネットで、自分が荒川河川敷にスマホを埋めていたことが発覚したと知り、『これがわかってしまったら、もうダメだ』と考え、事務所に向かうのをやめた。公園で自殺を図ったり、高尾山の山中を放浪したそうだが、結局死にきれなかった。それで山を下りて、電車に飛び込むつもりで駅のホーム下に潜り、私にお詫びをしようと電話をかけてきた」。

 「電話で『死ぬ』と言うので、『そういうことはやめて、きちんと出てくるべきだ。とにかく東京に戻ってこい』と言った。彼が電車に乗り、新宿に近づくまで電話で話し続けた。『もう、会えないかもしれない』と言っていたので気がかりだったが、今朝6時15分頃、再び電話がかかり、生きていることはわかった」。

 「新宿のホテルに迎えに行き、7時30分頃に事務所に着いた。改めて話をする中で、今後は保釈が取り消されて収監されることを伝えた。そして、明後日(22日)の裁判では洗いざらい話すべきではないかと言うと、彼も基本的に了承した」。

 「9時15分ぐらいに東京地検の公判部に電話し、『片山祐輔の弁護人だが、今、本人が犯人であることを私に認めた。身柄を拘束してほしい』と伝えた。実際に検察官が来たのは10時30分ぐらい。片山被告は『すみませんでした』と謝り、検察官は『済んだことは仕方ない。死ぬことは考えるな』と話した。これで、彼も多少安心したようだった。10時50分くらいに、片山被告は収監された」。

「onigoroshijuzo2」へのアクセスで自爆

 佐藤弁護士は「片山被告から聞いたことは全部話す」と前置きして、まず、今回の真犯人メールが、どうして送信されたかを説明した。

 「彼の母親が口癖のように、『以前のような平穏な生活は、いつ来るのか』と言うので、1日も早く裁判を終わらせるために真犯人メールを送信した、と言っていた。送信方法は、報道されているように、予約送信機能で公判が開かれている時にメールを送るやり方だ。そして、荒川の河川敷にスマホを埋めて立ち去った。まさか、これが警察に掌握されているとは思わなかった、と話している」。

 さらに、注目すべき点として、真犯人メールの文中に「onigoroshijuzo2のアカウントにログインしたが、メールボックスが閉鎖されていた」というくだりがあったことを指摘した。「これは、極めて重要な情報。このアカウントは警察がずっと監視しているので、アクセス履歴は確認できる。これにより、スマホからのメールが真犯人によるものかどうか、わかるはずである」。

 「これで、片山被告は観念した。メール文で、onigoroshijuzo2へのアクセスに言及していなければ、『私は真犯人でないが、真犯人になりすましてメールを送った』と主張できる。しかし、埋めたスマホから真犯人しか知らないパスワードで、onigoroshijuzo2へアクセスしている。だから、埋めたスマホが警察に見つかったことで、真犯人メールを自分が送ったという自作自演だけでなく、PC遠隔操作事件のすべてについて、認めざるを得なくなった」。

裏切られたという感情はない

 質疑応答に移り、記者から「こうした結末を迎え、弁護人としての率直な感想は」と聞かれると、佐藤弁護士は「片山被告から告白を受けて、正直、裏切られたという否定的な感情はわかなかった。片山被告は『今までの弁護人をすべて裏切ったことになるので、解任して国選弁護人を頼むことを考えた』と言った。しかし、私は即座に『あなたを見捨てることはしない』と応じた」と述べ、次のように続けた。

(…会員ページにつづく)

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「「先生すみません、犯人でした」片山被告、駅のホーム下から電話 〜PC遠隔操作事件 佐藤博史弁護士 緊急記者会見」への1件のフィードバック

  1. 中井明美 より:

    佐藤弁護士が あんなに片山さんを信じて 桜を見せたいと、旅行につれて行ってくれたり 片山さんの為に泣いたり したこと ありがたいと言う感情はないのだろうか
    わたしは 家庭には恵まれていないし 人から愛情与えられた経験も少ないので 誰よりも無償の愛情に
    心が動く。片山さんを信じた人 私もその一人で そういうことに バかだと思う人だったんだ。。。
    無理かも知れないけれど 佐藤弁護士に 心から礼を言って 片山さんにお願いしたい。
    わたしは 最後まで 頼ったひとを信じてくれた佐藤弁護士にお礼を言いたいです。

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