2014年5月16日午前11時37分、PC遠隔操作事件の「真犯人」を名乗る人物が、報道関係者や落合洋司弁護士などにメールを送付した。メール本文冒頭には、「片山氏がかわいそうになった」「有罪判決が出たら、助けてあげる予定だった」などと書かれており、他にも、事件の中身にまで踏み込んで言及している。
同日、片山祐輔被告と佐藤博史弁護士が、司法記者クラブで記者会見を行った。
(IWJ・須原拓磨)
特集 PC遠隔操作事件
※この記事は、5月20日午前に片山祐輔被告が一連の事件への関与を認めるより前に取材したものです。IWJは、今後の展開についても引き続き取材を継続します(5月20日記載)
2014年5月16日午前11時37分、PC遠隔操作事件の「真犯人」を名乗る人物が、報道関係者や落合洋司弁護士などにメールを送付した。メール本文冒頭には、「片山氏がかわいそうになった」「有罪判決が出たら、助けてあげる予定だった」などと書かれており、他にも、事件の中身にまで踏み込んで言及している。
同日、片山祐輔被告と佐藤博史弁護士が、司法記者クラブで記者会見を行った。
記事目次
■ハイライト
「真犯人」を名乗る人物からメールが送信された時刻は、午前11時37分だという。この時、片山氏はまさに第8回公判の真っ最中であり、法廷内にいた。片山氏は会見で、この一連のメールについて、自身のアリバイを訴えた。
「多分言われるであろうことは、自作自演で出したんだろうということ。元々持っていたPCは押収されたままだったんですが、新たに持つようになったPCは、弁護人の管理下にある方が良いということになり、使うのはノートPC1台のみ、自作や改造はしないというルールにしました」。
さらに片山氏は、「そしてその(PCの)中に通信を記録する『パケット警察』というソフト(通信記録やソフトウェアの起動記録を監視するソフト)を入れており、パスワードは特別弁護人の野間英樹氏が管理していて、私自身では解除できないようになっています」と話し、片山氏自身だけではこの「パケット警察」を操作できなかったことも明かした。
つまり片山氏を含めた弁護団は、このようなことが起きた時に、片山氏の身の潔白を証明できるよう準備していたのだ。片山氏はこう続ける。
「怪しい通信はしていない。例えばTor(トーア、Webサイトなどのアクセス時に、サーバーに残るIPアドレスから、ユーザーの特定を難しくする匿名化技術)なんか使っていないということを言えるように、備えていたわけなんですが、今回公判が行われている最中に送られたということで、それすら必要なくなったのではないか」と語り、「犯人がわざと私にアリバイのある時間を選んで送ってくれたのかどうかわからないですけど…。私が経路検索した場所としてあげられているのは、ほぼ全部合っています。その辺のところから信憑性は高いように思います。私としては、これをもってもうこの裁判を終わりにしてほしい、そればっかり思っています」と訴え、メールの送り主が事件の「真犯人」である可能性が高いとの見方を示した。
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