2014年4月17日18時より、原子力規制庁記者控室にて、「地下水バイパス揚水井のサンプリング結果について」の記者レクが開かれた。No.12の井戸から運用目標を超える1600Bq/Lのトリチウムが検出されたが、他の井戸の揚水を混合して濃度判定をすることが明らかになった。
2014年4月17日18時より、原子力規制庁記者控室にて、「地下水バイパス揚水井のサンプリング結果について」の記者レクが開かれた。No.12の井戸から運用目標を超える1600Bq/Lのトリチウムが検出されたが、他の井戸の揚水を混合して濃度判定をすることが明らかになった。
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2014年4月17日18時より、原子力規制庁記者控室にて、福島第一原子力発電所地下水バイパス揚水井におけるサンプリング結果についての定例記者レクが開催された。
地下水をくみ上げる「揚水井」は12本ある。そのなかで一番南側に位置するNo.12の井戸から、4月15日にくみあげた水を分析した結果、全ベータはND(4.4)だが、トリチウムは1600Bq/Lと過去最高で、しかも運用目標値を超える濃度を検出したことが判明した。
東京電力は18日に再度No.12から採水、分析し、その結果を見て今後、No.12からのくみあげを継続するか、中断するかの判断をするとしている。分析には2日弱を要するという。No.1からNo.11は、くみあげを継続しているということだ。
12本の揚水井からくみあげた地下水は、一時貯留タンクに蓄えられる。これは1000トンタンク3基を一組とし、三組、合計9基のタンクから成る。この時、12本の揚水井からくみあげた地下水は、ある一組のタンクに入れられるが、特に分けることをせずにタンクに入れられ、混合される。さらに分析測定前に、一組内3基のタンク水を、ポンプで混合した上で採水、測定するということが判明した。
例えば、No.12だけで高濃度の放射能が検出されても、他の11本が低ければ、全体の分析結果は低い値になることを示している。
「希釈ではないのか」との複数の記者からの質問に対し、東電は、「個々の井戸の水が問題なのではなく、地下水全体を見ることが必要だ」という意味の回答をしている。
Gr3と呼ばれるグループ3のタンクには、2013年、地下水バイパス設置後にくみ上げた地下水が入っており、既に水質分析済となっている。
Gr1-1と呼ばれるグループ1のタンクは、4月9日から14日にくみ上げた地下水が約720トン入っており、現在、詳細分析を行っている過程だ。
Gr1の分析を行っている間、Gr2のタンクにくみ上げた地下水を入れることになる。現在の予定では、平日日中のみ、くみ上げを行うこととしている。そのため、1から2週間でタンクがいっぱいになる。その後、Gr2の分析を行う予定としている。
今後の運用予定について、東電の説明をまとめると、以下のようになる。Gr1の分析結果が5月中旬に確定し、その結果によりGr1タンクに貯留している水を放水する。ついでGr3に貯留している分析済の水を放水し、この間にGr2タンクに溜めた水を分析する。次に、Gr2の水を放水しながら、Gr1にくみ上げた地下水を貯留する。
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