2014年2月3日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。地下水バイパスの排水基準が公表され、経産副大臣が地元である福島県全漁連会長に説明したことが発表された。
2014年2月3日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。地下水バイパスの排水基準が公表され、経産副大臣が地元である福島県全漁連会長に説明したことが発表された。
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東電は、地下水バイパスの排水基準を公表し、経産副大臣が地元である福島県全漁連会長に説明したと発表。しかし、地元に説明したが、まだ地元の了承が得られておらず、地下水バイパスの運用はまだできない。
福島第一原発の構内では、山側から海側へ向かって地下水が流れており、それが建屋地下にも流れ込んでいるため、1日あたり400トンの汚染水増加の原因となっている。地下水バイパスは、地下水が建屋に流れ込む手前でくみ上げ、バイパスしてそのまま海洋へ放出し、汚染水の増加を抑えるという対策だ。
地下水バイパスは、2013年の3月に完成し、試運転としてくみ上げ、核種分析などを行っていた。排水にあたっては、地元となる福島県全漁連の事前了承が必要なことや、2013年に発生したタンクからの漏洩問題などにより、運用には至っていなかった。
これまで全漁連等に説明した際に受けた意見などを整理し、国と連携して排水基準となる数値を設定、地元に説明するとともに、会見で発表となった。「本日ご説明したばかり。このあと丁寧に説明していかなければいけないと思っている」と今泉典之原子力・立地本部長代理は応えた。まだ地元の了承は得られておらず、地下水バイパスの運用までには、まだ時間が必要だ。
発電所が通常運転している時の排出制限として、経済産業大臣が告示で定めた放射性物質の濃度限度である”告示濃度限度”がある。水にセシウムや全ベータ、トリチウムなどの核種が単独で含まれている場合、毎日2L飲み続ければ年間被曝量が1mSvになる値だ。
現実的には複数の核種が混在しているため、セシウム、全ベータ、トリチウムが混在している条件でも、年間被曝量が1mSvを下回る値を排水許容限度として設定している。具体的には、0.86mSvになるように設定している。
東電は安全のため、これにさらに余裕を持たせ、年間被曝量が0.22mSv、つまり告示濃度限度の0.22倍となる値を排水運用目標として設定している。この値以下なら排水し、超えた場合は、何らかの浄化処理を行うことを想定している。
しかし、具体的な運用手順はまだ決まっていない。東電は、まずは地元の理解、了承を得ることが第一だと考えており、手順や運用マニュアルなどは、その後に考える方針を示した。
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2014年2月3日
2014年2月2日
2014年2月1日
2014年2月3日