2014年4月11日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。地下水バイパスの放水運用基準の具体策はなく、放射能濃度が基準を超えた場合の対策は、何ら考えられていないことが発覚した。
2014年4月11日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。地下水バイパスの放水運用基準の具体策はなく、放射能濃度が基準を超えた場合の対策は、何ら考えられていないことが発覚した。
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地下水バイパスは、地下水をくみあげる井戸(揚水井)ごとの測定結果をみるのではなく、一旦タンクに溜めた水の測定結果について判断していくということが判明した。
地下水バイパスは、原子炉建屋の山側に12本の揚水井(くみあげ井戸)をほり、そこから地下水をくみ上げている。くみ上げた地下水の放射性物質の濃度を測定し、運用目標値以下であれば海洋放出することにしている。
ところが、12本の井戸それぞれからくみ上げた地下水の井戸毎の濃度は測定できない構造になっているということが発覚した。くみ上げた水は、12本分まとめてタンクに貯蔵される。その状態で濃度測定を行うという。従って、もし1本の井戸から高濃度の地下水がくみ上げられても、他の地下水と混ざり、運用目標値以下に希釈されて放水されるということだ。
なお、運用目標値は2月3日の記者会見で公表されている。
運用手順は、貯蔵タンクを三組用意し、最初のタンクに貯水して満杯になると、次のタンクに貯水、その間に最初のタンクに溜めた水を測定する。2番目のタンクが満水になると、3番目のタンクに貯水、2番目のタンクは測定、最初のタンクは測定結果により放水する。このように順繰りに貯水→測定→放水と行っていくという。
地下水バイパスについて、くみあげた水の測定の結果、運用目標値を超えていた場合はどうするのか? その手順を東電は決めておらず、実際に基準を超えていた場合に考えるということが判明した。
東電は運用目標値を超えた場合には放水しないということを表明している。しかし、それには具体的な施策があるわけではなかった。「運用基準を超えるものは出さないという明確な意思」だと尾野昌之・原子力立地本部長代理は応えている。
地下水バイパスの揚水井からくみ上げた水は、9基のタンクに貯水される。3基を一組とし、三組を順繰りに使用する運用を行う。それらに隣接するタンクには、RO濃縮塩水等、汚染水が貯蔵されている。
しかし、地下水バイパスくみあげ水を貯蔵するタンクと、汚染水を貯蔵するタンクとは、配管が分離しており、バルブの誤操作によって混じることがないようになっている。バルブの操作ミスなどにより、汚染水が誤って放水されるようなことはないと東電は説明している。
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2014年4月11日
2014年4月10日
2014年4月11日