3月末までに基本設計を完了させ、4月から実施設計に入ると言われている新国立競技場の計画について、舛添要一東京都知事に「IOCアジェンダ21」を尊重し遵守するよう要望書を提出した「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」が、3月25日、第4回目となる勉強会を開催した。
(IWJ・松井信篤)
特集 新国立競技場問題
3月末までに基本設計を完了させ、4月から実施設計に入ると言われている新国立競技場の計画について、舛添要一東京都知事に「IOCアジェンダ21」を尊重し遵守するよう要望書を提出した「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」が、3月25日、第4回目となる勉強会を開催した。
■ハイライト
この日、日本における都市計画について講演した東京大学大学院教授の松原隆一郎氏は、規制緩和によって街の景観を壊していくことを「空に対しての暴力的な侵略は、『首都を歩くな』と言われているように感じる」と語った。
松原氏は、政府の「国土強靭化」に関する懇談会に委員会として参加している。その面から見ても、収益性も含め、歴史や環境の点から問題は多く、「短期間に行なわれるオリンピックのためにやっていいのか。税金だけ上がり、原発事故における電気料金値上げの構造になってしまう」と疑問を呈した。
日本都市計画家協会理事である柳沢厚氏は、新国立競技場に関する都市計画決定事項について、手続きが形骸化していると指摘。新国立競技場のデザイン案は、コンペで最優秀案が決定したものを追認する形で承認されたと説明した。
柳沢氏は、神宮外苑風致地区では、都市計画の変更を予定しておらず、風致地区の趣旨を損なわないように協議する必要があり、今後のスポーツ振興センターと東京都の風致担当である東京都知事との協議に注目すべきだと述べた。