鳥越俊太郎氏、安倍政権を痛烈批判「安倍政権はファシズム化している。やっていることは独裁だ」 2014.2.18

記事公開日:2014.2.18取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

 年内に施行される特定秘密保護法の危険性を周知し、廃止に追い込むため、日弁連は2月18日、弁護士会館で「秘密保護法廃止を目指す市民集会」を開催。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が講演した。

 毎日新聞入社以降、管理職に就くことなく、現場取材ばかり続けてきたという鳥越氏。「秘密はなんとしても探りだそうとするのが、ジャーナリストの本能です」。生きている間にチャンスがあれば懲役も辞さず、特定秘密を白日の下に晒す、と意気込む。

■ハイライト

  • 日弁連の活動報告と問題提起(秘密保護法対策本部委員)/ 講演 鳥越俊太郎氏(ジャーナリスト)

安倍政権の目指す「戦後のレジームチェンジ」

 「今日一番話したいのが、特定秘密保護法は、『単独ではない』ということだ」。この日の鳥越氏は、秘密保護法の成立を強行した安倍政権への批判を鋭く展開した。

 秘密保護法は、国内向け、メディアや官僚、政治家などの秘密情報に触れる可能性のある層を、「締め上げる」ために作られたものだと鳥越氏は指摘する。

 「安倍政権の本質を観なければならない。安倍政権は、これまでの自民党の他の政権とは全く違う。安倍政権は、全面的に日本を変えようとしている。秘密保護法だけをやろうとしているわけではなく、『レジームチェンジ』しようとしている。つまり、戦後の体制を変えるということだ」

 鳥越氏の言う戦後の体制とは、「憲法9条のもとの、戦争しない平和な国」である。

 こうした憲法の理念を子どもたちに伝えていくためにも、独立した教育委員会制度があるが、安倍政権は、教育委員会制度の見直しを検討するとしている。また、内閣法制局長を、集団的自衛権の行使容認に前向きな人物に代えることで、これまで「不可」とされてきた「集団的自衛権の行使」を容認しようともしている。

 「そうなれば憲法9条は抜け殻になるだろう。9条は、『国際紛争を武力行使で解決することをしない、交戦権を持たない』と、ちゃんと謳っている。9条のコアは、『どんなことがあろうとも日本は二度と戦争しない』ということ。これを集団的自衛権という名目で、米国と一緒に、戦争に参加しようとする」

 さらに鳥越氏は、「戦後、一発の銃弾も打ったことない自衛隊が、外国で銃弾を撃つ。外国人を殺害する自衛隊が、初めて生まれる。撃たれるだけでなく、死傷者などの被害が出る。どこにでもある軍隊のように、『殺し、殺させる』状況が生まれる。これが集団的自衛権の中身です」と解説。

 「その時は、おそらく、自衛隊の行動計画は特定秘密に指定されるだろう。秘密保護法は、集団的自衛権の行使も視野に入れている。国民にわからないうちに、戦争が起きる。気づいた時には、国民は戦争に巻き込まれている」

マスメディアを握ったファシズム政権

 「安倍総理は、『憲法によって縛られている』という意識がない」

 鳥越氏は、そうした懸念を繰り返し強調した。

 「僕は、安倍政権はファシズム化していると思う。ヒットラーと同じとは言わない。ヒットラーほどたいへんなシロモノとは思わないが、今やっていることは独裁だ。秘密保護法も、ほとんどの国民が反対だった。公聴会でも全員が反対したが、その翌日に強行採決に踏み切った。国民の声など踏みにじって進む、ファシズムの典型と言える」

 国民の声に耳を傾けることなく、右傾化の道を突き進む安倍政権に、鳥越氏は警鐘を鳴らす。

 「今、国民が立ち上がって、戦争は二度とやらないという意志を表明しないと、安倍政権はこのまま突っ走ってしまう。それを、一番危惧しています」。

安倍政権の「マスコミ対策」とNHK批判

(…会員ページにつづく)

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