2014年1月26日、東京都知事選4日目。候補者が都内各地で街頭演説を行っているさなか、選挙権を持たない10代の若者たちで主催した「秘密はいやだ!U-20(アンダートゥウエンティ)デモ」が行なわれた。
(IWJ・ぎぎまき)
特集 秘密保護法
2014年1月26日、東京都知事選4日目。候補者が都内各地で街頭演説を行っているさなか、選挙権を持たない10代の若者たちで主催した「秘密はいやだ!U-20(アンダートゥウエンティ)デモ」が行なわれた。
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デモ実行委員は、都内の大学生や高校生の6人。メンバーの一人、19歳の長島可純さんはこれまで、国会周辺の脱原発デモに参加してきた。12月上旬には、秘密保護法案可決に反対する抗議行動ではコールを行うなど、積極的に声を上げてきた若者だ。
12月上旬、国会では特定秘密保護法をめぐり、与野党が激しく対立、外では連日大規模な抗議行動が行われていた。しかし6日、政府は同法案の採決を強行。長島さんは「民意は踏みにじられた」と国に憤りを覚え、さらに、翌日の安倍総理の「嵐が過ぎ去った感じ」という発言をうけて、「あれ以上の大きな嵐を起こしてやろう」と思い立ったという。
運動のすそのを広げるため、長島さんたちは10代を中心としたデモの開催を呼びかけた。「大人主催のこれまでのデモと違い、若者中心のデモを見れば、今まで興味のなかった人も、少しは興味を持ってくれると思いました。それに、選挙権はないけど、若者にも言いたいことがあることを伝えたかった」
13時30分、代々木公園イチョウ並木をスタートしたデモ隊は、渋谷の街を練り歩いた。
「原発情報、秘密にするな」「被曝の実態、秘密にされる」「権力肥大化、許しちゃいけない」「秘密にアクセス、罰則受ける」「黒塗り資料がまた増える」「情報隠蔽始まるよ」
学生服を着た若者たちの初々しいシュプレヒコールは、渋谷を行き交う人々の目を引いた。沿道から手を振る人に、参加者も手を振って応えた。10〜20代と見られる若者たちは、スマホで撮影することさえ忘れ、目を丸くしてデモ隊を見つめていた。
「結構みんなが手を振ってくれますね。これまでいろんなデモに参加してきましたが、沿道の反応が一番いいと思います」
行進の途中、「秘密保護法廃案」というプラカードを手にする男子学生に話を聞くと、ほっとした表情でこう答えた。歩き出す前は、どんなことになるのか不安だったという。
JR渋谷駅から明治通りを行進した隊列は、人で溢れかえる原宿を抜け、約1時間30分後、ゴール地点の代々木公園に到着した。
主催者によると、デモには650人が参加。うち、150人が若者だったという。飛び入り参加があったとの報告も耳にしたが、人数は徐々に増えて行ったようにも見えた。
デモを終えた感想を聞くと、大学生の男性は、「秘密保護法成立前のデモに参加しました。成立したからといって諦めることなく、声を上げ続けることが大事だと思います。
若者ってデモに行きづらいんですよ。変わり者と思われる風潮がやっぱりあって。だから、若者が主催するこういうデモに参加できる人が参加して、行きたいけど行けないっていう人がもっと来れるようになればいい」
16歳の高校生、福井周さんは「原宿や渋谷でこういうデモをする場合は、10代がやった方が共感を呼びやすい。今日は沿道からのサポートも多かったので、やっぱりいつものデモと違うかな、と思いました。
集まれる10代は集まったと思いますり。でもやっぱり、少ないなというのが正直なところ。欲を言うと、1000人くらいは参加して欲しい。僕が10代のうちは実現は難しいかもしれない。でもゆくゆくは、それくらい集まってくれたいいなと。地道に、これから参加者を増やしていきたいですね」と話した。
今後もU-20は、秘密保護法の廃案を求め行動していくという。次回の開催は未定だが、デモ終了後、2回目の開催を望む声が聞かれた。