取り調べ「全過程の」可視化を~取調べ可視化の現在 ―報告 前田裕司弁護士(日弁連刑事弁護センター) 2014.1.10

記事公開日:2014.1.10取材地: テキスト動画
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(IWJ・鈴木美優)

 暗室の中に閉じ込められる取り調べを何とか見える形に――

 選挙違反の疑いで被告人に対する異例の取り調べが行われた志布志事件から、6年が経った。「最近は取り調べ可視化に対する動きも後退し、マスコミもあまり騒がなくなった」と、人権と報道連絡会の山際永三氏事務局長は語る。人権と報道連絡会は10日、「取り調べ可視化の現在」をテーマに報告会を開き、日弁連の前田裕司弁護士がこれまでの活動報告と今後の動きについての議論を行った。

記事目次

■ハイライト

  • 報告 前田裕司氏(弁護士、日弁連刑事弁護センター 取調べの可視化実現本部副本部長)

なぜ取り調べ可視化が必要か

 日弁連刑事弁護センター「取り調べ可視化実現本部」副部長の前田裕司弁護士は、「取り調べ可視化」を「取り調べ『全過程』の録画・録音」と定義付けているとし、「我々の言う取り調べの可視化が、本当に実現するかという意味で正念場を迎えている」と述べた。

 「なぜ取り調べの可視化が必要か?」前田氏はそう聴衆に問いかけ、「冤罪を防止するため、その一言に尽きる」と明言。1980年代には、4人の死刑囚が再審無罪となった。鹿児島県で起きた免田事件、香川県の財田川事件、静岡県の島田事件、そして宮城県での松山事件だ。いずれも被告人らは30年近く拘置され、不当な取り調べと虚偽の自白調整が行われた。

 前田氏によると、国内の冤罪事件における最大の特色は、虚偽自白が圧倒的に多いことだという。取り調べが密室で行われているため、他の人が検証することができず、全過程の内容が隠されてしまうことに問題がある。

 また、冤罪犠牲者も口を揃えて「取り調べの可視化が必要だ」と訴えていると前田氏は明かした。捜査官による虚偽自白の強要や暴行などが問題視されているが、「取り調べの録画・録音によってそのようなことができなくなる」と前田氏は述べ、例え強制的・脅迫的な言動があったとしても、録画・録音されていればその後の分析で指摘することも可能であると強調した。

供述調書の正確性を得るためにも可視化を

(…会員ページにつづく)

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