「まさしく公害罪」 ~汚染水漏れで、福島原発告訴団6000人が東電幹部らを2度目の刑事告発 2013.12.18

記事公開日:2013.12.18取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/奥松)

 「海は私たちの大事な宝、命の源である。その海が汚染されていくことに、人々の怒りと悲しみがある。きちんと責任をとってほしい」──。

 2013年12月18日10時、福島原発告訴団は、汚染水を海に流出させたとして「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」違反の疑いで、東京電力の廣瀬直己社長ら現旧幹部32人と東京電力株式会社に対する、2度目の告発状を福島県警に提出した。その後、11時より、福島市チェンバおおまちに場所を移して記者会見を行った。

■全編動画

  • 日時 2013年12月18日(水) 10:00〜
  • 場所 チェンバおおまち(福島県福島市)

東京電力はお金を惜しみ、汚染水対策を怠った

 記者会見の冒頭、福島原発告訴団の団長である武藤類子氏から、告発の報告があった。「本日、福島県警に第2次の告発をしてきた。第1次は、9月3日に団長、副団長の3名で告発したが、今回は、6042名の委任状を持って行った。現在、県警で委任状と名簿を照合している。終わり次第、電話が入る」と報告した。

 今回の告発に関して、武藤氏は「東京電力は、原発事故の前も、津波に対し、お金を惜しんで対策をしなかった。原発事故の後も、汚染水の問題に対して、わかっていたけれど、やはりお金を惜しんで対策をしなかった。それによって、手のつけられない状況になっているのではないかと思う。このことを明らかにして、東京電力に責任を取ってもらいたい。原発事故から3年近くなるが、私たちは困難の中に暮らしている。そんな時に、ひとつずつでも問題が明らかにされ、生活に光が見えるようになってきたらいい」と述べた。

『遮水壁を作らず』『品質保証のないタンク』はコンプライアンス違反

 続いて、告訴団の海渡雄一弁護士が、捜査にあたる県警に伝えた告発の重要なポイントについて、「2011年6月の段階で遮水壁を作る方針があり、東京電力の計画もできていた。しかし、これがまったく実行されないまま、時間が過ぎてしまったこと。もう1点は、メーカー自身が品質保証をしていない、溶接されていないタンクを、2年間以上にわたってずっと作り続けていたこと」と指摘し、「これは、コンプライアンス違反になる」と強調した。

 一方、公害罪を問えないという見解に関して、海渡氏は「完全に誤解である。事故直後に出た放射性物質について、公害罪が問えないという見解はあり得るし、東京地検もそういう見解だった。しかし、ある程度冷却システムが回復した時点からは、汚染を流出させないようにして、原子炉を冷やし続けることが、東京電力の業務そのものである。それについて、東京電力が業務上の管理を怠り、汚染水を漏洩させたことは、まさしく公害罪上の『業務に関して汚染を発生させた』に当てはまる。この点には、警察当局も疑いを持っていない」と述べた。

 捜査の現状に関しては、「具体的にどういう手順であれば、汚染水漏れを防ぐことができたかについて、専門家の意見を聞いている。告訴団としては、希望を持って捜査の進展を見守りたい」と述べた。また、県警に対して、『酷い汚染水漏れを起こした東京電力の責任を明らかにして、県民に希望を与える捜査をしてください』と伝えたことを明らかにした。

人類の宝である海を汚染される人々の怒りと悲しみ

 質疑応答で、「6042人という数について、どんな思いか」と問われ、武藤氏は、「汚染水の問題に対する国民の関心が高いと思う。この問題は、原発労働者や漁業関係者などに直接影響する。海は私たちの大事な宝であり、命の源である。その海が汚染されていくことに、人々の怒りと悲しみがある。きちんと責任をとってほしい、という思いが、多くの人にあると感じている」と答えた。

 「原発の冷却システムが改善した時点から、汚染を発生させないことが東京電力の業務という前提で、県警も捜査しているのか」との質問には、海渡氏が「その点に争いはない」とした上で、「その過程において失敗し、汚染水が流出した。その失敗は何だったのかが問題である。県警の捜査も、『あの状態で、どういう対策が取りえたのか』『どういう対策を取るのが、通常の安全性を確保しなければならない会社にとっての、義務であるのか』という議論を始めている。それが、役員の過失となるかどうかが論点である」と回答した。

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