下北沢のB&Bで、『ワタノハスマイル─笑顔になったガレキたち─』(青幻舎)の出版記念トークイベントが開催された。
ワタノハスマイルとは、山形県の造形作家・犬飼とも氏が、震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市の渡波(ワタノハ)小学校に避難していた子ども達と一緒に始めたプロジェクト。小学校の校庭に流されてきたガレキを使って子ども達が作ったユニークなオブジェを、海外を含めた各地で展示している。
今回のイベントには犬飼氏と、本書の執筆に携わったIWJの阿部光平が参加。2011年4月に石巻市のボランティアキャンプ場で寝食を共にしていた両者からは、当時の街の様子や、ワタノハスマイルの成り立ち、制作秘話などが語られた。
「不要とされるモノを価値あるモノへ、悲しみを笑顔に、そして作る人、見る人の価値観までもひっくり返せたら素晴らしいと思う」と、自身のモットーを話す犬飼氏。震災から2年9ヶ月を迎え、今後の展望を尋ねられると「渡波の子ども達はガレキからオブジェを生み出すことによって、悲しみの象徴を笑顔に変えてくれた」と述べた上で、「今後は各地の展示で、子ども達から学んだ想像力と工夫する力の大切さを伝えていきたい」と語った。
なお、ワタノハスマイルの作品は12月24日~28日まで広島県文化センターで展示される予定になっている。詳しい情報はコチラから→【http://www.watanohasmile.jp/index.html】