トークセッション かがや富士子氏 x 山本太郎氏 x 安田美絵氏 x 津田大介氏 〜輝く未来を子どもたちに!! 2013.6.30

記事公開日:2013.6.30取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

 2013年6月30日(日)16時から、群馬県前橋市のベイシア文化ホールで「輝く未来を子どもたちに!!」が行われた。第1部は「母なる地球と共に生きる」をテーマに各ゲストがスピーチを行い、第2部のトークセッションでは、7月の参院選に出馬する、かがや富士子氏(主婦)と山本太郎氏(俳優)に、安田美絵氏(料理家)、津田大介氏(ジャーナリスト)が加わり、原発、TPP、憲法という、参院選で争点になるべきテーマを巡って、忌憚のない意見が交わされた。

■ハイライト

  • 第1部 母なる地球と共に生きる
    アシリ・レラ氏/宮嶋望氏/田中徳雲氏/寿 (kotobuki)
  • 第2部 あきらめないで政治を庶民の手に
    津田大介氏/安田美絵氏/山本太郎氏/かがや富士子氏
  • 主催) 富士子ちゃんと輝こう市民の会 【告知(PlanetWorks)】

 第1部は、アシリ・レラ氏の朗読で始まった。アイヌ民族の聖地、北海道二風谷の出身で、自然環境活動家として世界中の先住民族と交流してきたアシリ氏は、平和のメッセージを伝えたいとマイクに向かった。「その昔、縁を持つことができた加賀谷独志君の、妻である富士子さんが参院選に出馬するということで、北海道から応援に駆けつけた」と述べて、古くからアイヌ民族に伝わる物語を抑揚をつけて読み上げた。

 続いて登場した宮嶋望氏は、北海道で共働学舎新得農場を営み、障害をもつ仲間たちと一緒に酪農とチーズづくりを行なっている。「自然のしくみに従って食品づくりをしたら、海外にも通用する美味しさになった」とし、自身が手掛けるチーズが国際的な表彰制度で受賞したことを紹介し、「農場の仕事で、みんなの暮らしが成り立っている」と胸を張った。

 成功の秘訣は環境を整えること、と指摘した宮嶋氏は、「ただ単に、草木を植えればいいという話ではない。エネルギーが、ちゃんと流れる場所をつくることが大切」と説明。「そういう環境こそ、今の日本の子どもたちが必要とする環境なのだ」と力を込めた。この日の演題は「『もののけ姫』を読み解く」。スピーチの内容は、ことに宮崎駿ファンにとっては興味深いものとなった。

 3番目の登壇者、田中徳雲氏は、福島第一原発から約17キロ離れた南相馬市の同慶寺の住職。「私のお寺も、日中の立ち入りは自由だが、宿泊や居住は認められない。しかし今後、除染がアリバイになって、避難が解除されるだろう」と、静かなトーンで被災地の今を語り、国や地元行政の対応に不信感を示した。そして、「お年寄りは概して、住み慣れた地元に暮らしたいと言う。でも、小さな子どもを抱えた父母は、その限りではない。みんな罹病が心配なのだ。本音では避難したいが、仕事関係で避難できないジレンマを抱え、鬱々としている世帯が少なくない」などと報告した。

 第1部の最後は、沖縄出身の宮城喜光氏(ギター)と広島出身のナヴィ氏(ボーカル)のユニット「寿」の生演奏。ベテランならではの安定感のあるサウンドに、人間愛が感じられる歌詞を乗せ、会場を暖かな雰囲気で包み込んだ。「寿」は、日雇い労働者の町としても知られる横浜・寿町のフリーコンサートの常連で、今年で17回目の出演になるという。ナヴィ氏は「かつて、寿町からは、原発の建設作業に大勢の人が駆り出された。今、福島の原発事故の収束に向けた作業にも、やはり、寿町から人が向かったようだ」と話した。

 第2部のトークセッションでは、かがや富士子氏が「TPPが、日本にどんな影響を与えるかについて、周囲のお母さんたちは、あまりにも知らない。こういう状況で、政府がTPP参加を表明することは実に危険だ」と発言。TPP問題に詳しい安田美絵氏は、「遺伝子組替え食物が、もっと普及して栽培が拡大した場合、その花粉が飛散するのが怖い。いったん飛散したら収集がつかなくなる。原発事故で、放射性物質が飛び散る状況に近い」と述べた。

 山本太郎氏は「日本各地で、大勢の有志がさんざん『原発反対』を叫んだが、国は黙殺した。新聞・テレビも取り上げなかった」と、市民による脱原発運動が成果を上げられないことに懸念を表明した。そして、原子力の平和的利用を巡り、日米の政府間で結ばれた「日米原子力協定」の存在を指摘し、脱原発が容易でないことを説明した。山本氏は「協定の更新となる2018年が、日本が脱原発へ舵を切るか否かの分岐点」と強調し、次のように呼び掛けた。「脱原発の運動をしている有志の皆さんは、日米原子力協定なるものが存在することを、国民に広げてほしい」。

 憲法改正については、山本氏が「自民党の改憲草案は、国民に対し『生まれただけではダメ。国のために責任を果たさなければ(国民として)価値がない』と言っているように感じられる」と発言。かがや氏は「戦争を仕掛けられる国に変えようとしている。96条の先行改正は姑息だ」と、自民党の改憲路線を批判した。

 司会役の津田大介氏が「安倍政権は、アベノミクスの成果で原発などの争点を覆い隠して、参院選に望んでいる感があるが」と水を向けると、かがや氏は「アベノミクスで、本当に景気が良くなったと実感している人がいるだろうか」と応じた。出馬については「民主党から出馬することに迷いはあった」と明かした上で、「だが、群馬で自民党を倒すには、やはり民主党で立つしかないと思った。私が民主党を変える」と力を込めた。

 一方、東京選挙区に無所属で出馬する山本氏は、「巨大権力に対し『いいかげんにしろ、お前やり過ぎだぞ』と迫るアクションをもっと広げたい」と、参院選に向けての意気込みを語った。選挙戦でのアピールポイントについては、「権力者がもっとも嫌う、行動力のあるバカが先頭を歩くから、みんなでうしろから応援してほしい」と訴えた。

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

「トークセッション かがや富士子氏 x 山本太郎氏 x 安田美絵氏 x 津田大介氏 〜輝く未来を子どもたちに!!」への1件のフィードバック

  1. 高津 公男 より:

    宮嶋 望先生の講演、大変参考になりました。著書には「みんな、神様をつれてやってきた」地湧社・があり、その頁179より抜粋します。「晩年のマザー・テレサと直接会って言葉を交わしたことがある。{中略}マザー・私は、いちばん弱い立場に立っている者がいちばん必要としているものを届けることを、神の御旨だと思っております。だから、食べ物の必要な子供たちには食べ物を、安全が必要な子供たちには安全を、そして道端に捨て置かれた人々には人としての尊厳をもって死んでいける家を用意するのです。その私が・世界中を回って見て、いちばん心が飢えているのは日本の子どもたちですよ」以下略。2008・11月5日初版発行。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です