【IWJウィークリー25号】山本太郎議員の「天皇陛下への手紙手渡し問題」を徹底解説!(ePub版・PDF版を発行しました) 2013.11.12

記事公開日:2013.11.12 テキスト独自
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 山本太郎議員の「陛下への手紙手渡し問題」の裏で、次々に明らかになる「秘密保護法」の恐るべき実態。

 岩上安身とIWJ記者が1週間走り回って取材し、まとめた渾身レポートをお届けします!巻頭言や読み物、スタッフ寄稿を含め大ボリュームでお送りする本メルマガ。忙しくて時間のない方も、ダイジェストページだけ読めば、1週間のIWJの主な動きがわかります。

25号簡易もくじ

  1. STFダイジェスト
  2. 詳細もくじ
  3. 岩上安身のニュースのトリセツ(山本太郎議員問題)
  4. ニュースSTF
  5. スタッフ寄稿「ワタノハスマイル」(後編)
  6. ご献本ありがとうございます!のコーナー
  7. 読者のみなさまからの声
  8. デスク後記/編集後記

1. 25号STFダイジェスト 10月26日(土)~11月1日(金)

★忙しい方も、ここだけ読めば一週間のIWJの動きがわかる!★

戦前の情報統制へ逆戻りする「特定秘密保護法案」

 日本は歴史に学ばず、同じ過ちを繰り返すのでしょうか。多くの反対の声のなか、25日政府が閣議決定した特定秘密保護法案は、11月10日現在も衆議院で審議が行われています。閣議決定された後も、この法案の問題点を追及し、危険性を指摘する勉強会やシンポジウムが、あきらめることなく開かれ続けています。その多くが、市民、有識者、志ある議員らによる、手弁当の集会です。大手メディアの報道は少ないですが、IWJは全力でそれを追いかけ、報じ続けています。

 10月28日に行われた専門家による意見交換会では、刑事法研究者である村井敏邦一橋大名誉教授がこの法案について、かつて戦前の日本が国民の目と耳と口をふさぐ情報統制を行った「軍機保護法」(昭和12年施行)との同一性を指摘し、「日本版NSC設置法案」と合わせて審議されることからも、「軍事立法」であることは明確だと危機感をあらわにしました。

法案の中身そのものがすでに「秘密」

 国民軽視の姿勢が浮き彫りに。10月31日に行われた、3回目となる超党派議員と市民による省庁担当者との交渉では、「秘密保護法の中身」そのものを「秘密」にしようとする、政府の怖ろしい姿勢が明らかに。同時に、「秘密」にすることで官僚自身も取り扱いの仕方がわからない、という悲喜劇的な一面も露呈しました。

 秘密保護法は、「共謀」「扇動」などの行為も処罰対象として定めています。しかしその罪が成立するには、共謀などを行った者が「(この情報が)特定秘密だ」と認識している必要があります。しかし何が特定秘密に指定されているか、「秘密」なので誰も分からない。捜査機関も、どのような捜査手順で共謀、扇動を検挙するのか、裁判所は公開の法廷で、どうやって事実認定を行うのか、不明確なのです。この指摘に、法案を担当する内閣情報調査室は、明確な回答ができませんでした。

 また政府は、秘密保護法の検討過程で作成されたペーパーなどを明らかにする予定はない、という姿勢を今回も貫き、約9万件集まったパブリックコメントの詳細も開示しない、と改めて強調しました。この法案の作成過程、運用方法、何もかもがすでに「秘密」なのです。日本は民主主義国家ではなかったのか。許される話ではありません。

~「死刑」も検討されていた!?~

 「原案を作成する政府検討の過程で、罰則について無期、または『死刑』にするという検討は行われたのか」という質問に対し、政府は明確に否定しませんでした。

 この問いは、決して大げさではありません。実際に、戦前・戦中の「軍機保護法」、そして中曽根政権が1985年に国会提出した「国家機密法(スパイ防止法)」は、最高刑を「死刑」としていたからです。

秘密保護法の次は「話し合った」だけで罰せられる共謀罪

 自民党が3度にわたって国会に上程し、その都度廃案になってきた「共謀罪法案」の再提出が、にわかに現実味を帯びてきました。「共謀罪法案」は、「4年以上の懲役」に該当する600種類以上の犯罪について、実際の犯罪行為に着手しておらず、犯罪の準備さえしていない「話し合いの段階」から処罰するという恐ろしい法案です。憲法第19条の思想・良心の自由、憲法21条の集会、結社、言論、表現の自由も脅かされてしまいます。

 日本弁護士連合会は10月29日に行った学習会で、「秘密保護法案の次は『共謀罪法案』が国会に提出されるだろう」と警鐘を鳴らしました。房川樹芳副会長は開会の挨拶で、政府が、東京オリンピック開催までにテロ対策を強化すると明言していることからも、次期通常国会で「共謀罪」の創設に着手する可能性があると指摘しました。オリンピックを奇貨として、テロ対策を口実に、新たなファシズムが準備されようとしています。

ブレない泉田知事、「安全」を軸に国、東電を改めて批判

 10月29日の定例会見で泉田裕彦新潟県知事は、福島原発事故への東電の対応について、「原発を安全に運転できるような、社長・トップが判断できるような体制になっているのかどうか、極めて疑問である」と、従来の主張を踏襲。政府の公費投入についても、「これまで棚上げされていた貸付責任、株主責任をどうするのだ、という話が出てこないで公費投入だけで済むのか」と疑問を呈しました。

 さらに、ヨーロッパの最新型の原発が「メルトダウンが起きる」前提で設計されていることや、アメリカでは「メルトダウンが起きる」前提で軍が動くことになっている例を提示し、「日本だけ『メルトダウンが起きない』仮定で体制を組んでいくことは、いざトラブルが起きた時に対処ができない。文明国として恥ずかしい対応ではないか」と、日本における事故対策の脆弱性を厳しく批判しました。

法案の中身を理解していない猪瀬知事のトンチンカンな発言

 福島第一原発事故当時、東京消防庁が原子炉の冷却のための放水作業の際、東京電力が「テロ対策の最高機密」を理由に、肝心の建屋や敷地の図面をなかなか開示しませんでした。安倍政権が今国会で成立を急ぐ「特定秘密保護法案」では、「テロ対策」を理由に原発の情報が「特定秘密」の対象となる可能性が明らかになっています。

 安倍政権が原発再稼働を模索している今、もし同様の事故が起こった場合、この法案によりますます事故対応に必須の情報が開示されなくなるのではないか。11月1日、定例会見でこうした懸念について問われた猪瀬直樹東京都知事は、「別に東京都は原発の担当者じゃありませんから」と述べ、明確な回答を避けました。

 しかし東京都は東電の筆頭株主であり、「東京電力経営改革本部」で定期的に会合を持ち、直接、東電側に意見をぶつけることが可能なのです。東電のみならず政府に対しても徹底的に追及を行う泉田新潟県知事と、自らの責任に無頓着な猪瀬知事、両者の安全対策を追及する姿勢、危機意識の落差には驚かされます。

2. 詳細もくじ

岩上安身のニュースのトリセツ
・山本太郎議員バッシングの裏で、報じられない安倍政権の暴走

ニュース STF ~Saturday to Friday~ 10月26日(土)~11月1日(金)

<26日 土曜日>
・約7000万年前の生物が“実物化石”で蘇る『大恐竜展 〜ゴビ砂漠の驚異〜』ついに開幕

<28日 月曜日>
・総理の動静は「知る権利」の範囲外!? 憲法、刑事法から見た「秘密保護法」の危険性
・規制委田中委員長と東電・廣瀬社長の初面談 汚染水対策で説明求める
・TPP「知的財産」中間会合が東京で終了 並行協議とは連携せず

<29日 火曜日>
・秘密保護法の次は共謀罪――600以上の犯罪が「話し合った」段階で処罰対象に
・秘密保護法で原発も「特定秘密」の対象に――秘密保護法案と立憲主義否定の国づくりに反対する10.29集会
・柏崎刈羽原発の適合審査申請「規制委はもう一度説明を」――泉田新潟県知事会見
・東電の「凍土壁」対策に難色――院内学習会「汚染水漏えい どうすれば止められるか」

<30日 水曜日>
・「やはり政治は弱い人の為にある」山田正彦氏 講義
・「ガレキに引っかかるリスクも」福島第一原発4号機 規制委が使用済み燃料の取り出しを認可

<31日 木曜日>
・「そしてナチスが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は誰一人残っていなかった」――秘密保護法を考える超党派の議員と市民による省庁交渉
・シンポジウム「国家秘密と情報公開-特定秘密保護法案がもたらす知る権利への影」
・生活の党小沢代表が講演「英国流クエスチョンタイムの実現」「政府参考人制度の廃止」

<1日 金曜日>
・原発と秘密保護法に無関心な猪瀬知事、「東京都は原発の担当者じゃありません」泉田新潟県知事と対照的なコメント
・患者の「生きる」選択肢を奪う、厚労省の難病対策見直し素案〜神経難病6団体による合同記者会見

特別企画
・ワタノハスマイル~ガレキから生まれた笑顔のオブジェ(後編)

ご献本ありがとうございます!のコーナー
・山内徳信『民衆の闘い「巨象」を倒す―沖縄・読谷飛行場返還物語 弱者が勝つ戦略・戦術』(創史社、2013.06)

編集後記
(編集長:岩上安身・今週のデスク:佐々木隼也)

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