「秘密保護法案」は日米軍事一体化を狙う米国の戦略の一つ!? 〜「ショック・ドクトリン」上映会後の講演 2013.10.25

記事公開日:2013.10.25取材地: テキスト動画
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(IWJ 原佑介)

 秘密保護法は、日米軍事一体化を狙う米国の戦略の一つなのか。

 映画「ショック・ドクトリン」の上映会が10月25日、東京・月島社会教育会館で開かれ、上映後、「『秘密保全法』は、平成の〈治安維持法〉だ!」と題したトークイベントが行われた。ゲストの山本太郎参議院議員と安部芳裕氏(プロジェクト99% 代表)は、同日、閣議決定した「秘密保護法案」について、それぞれ見解を語った。

■ハイライト

  • 講演 安部芳裕氏(プロジェクト99% 代表)「迫りくる秘密保全法とは何か?」「誰が、TPPを仕掛けたか」
  • 講演 山本太郎氏(参議院議員) 日本に襲いかかる最後の封じ手「秘密保全法」と「TPP」
  • 主催 ワールドフォーラム

原発情報も特定秘密の対象に

 山本議員は秘密保護法案について、「都合の悪いこと全部秘密にしちゃうよ、という話だ」と切り出し、「『外交、防衛、テロ活動防止、スパイ活動防止に関わる情報を秘密に指定する』と言い出したってことは、むちゃくちゃ怪しい。今でさえ秘密だらけの世の中で、秘密に指定する必要あるのか。今の時点で41万の情報が秘密に指定されるという」と語った。

 さらに、「原発のことも秘密にしないと言っていたが、『安全保障に関わることを秘密に指定する』というのであれば、去年、『原子力基本法』も改正され、『我が国の安全保障に資する〜』という一文が付け加えられたのだから、原発のことも秘密になるに決まっている」と指摘。

 「このままいけば、トントン拍子でいきそう。集団的自衛権などとも絡まっていて。本当に戦争しそうだな、この日本が戦場になるのか、ということがリアルな段階に入ってきていると感じる」と語り、秘密保護法案を廃案にするためにも「何か(法案を)止めるいい方法があれば、どんどん教えてほしい。力を貸してほしい」と会場に訴えた。

秘密保護法案の影に潜む「日米軍事一体化構想」

 安部氏はパワーポイントを用い、秘密保護法案が浮上してきたプロセスについて、次のように説明した。

「2005年に合意された「日米同盟 〜未来のための変革と再編」において、日本は「共有の秘密情報を保護するために必要な追加的措置をとる」と約束。07年、日米は軍事情報包括的保護協定(GSOMIA)に署名。GSOMIAには、秘密軍事情報を保護するための原則として「締約国政府により与えられている保護と実質的に同等の保護を与えるために適当な措置をとること」と記載されている。つまり、GSOMIAの規定履行し、国内法に落とし込もうとしたものが「秘密保護法案」だ」。

 秘密保護法案は「日米の軍事一体化」を念頭に進められてきたものだ――このように指摘する安部氏は、背景にある米国の思惑に対する見解も紹介する。

「ようするに、アメリカの財政赤字が上がってしまったのだ。アメリカは、10年間で3兆9千億の予算を削減することを、今年3月、法で決定した。削減するうちの半分は軍事費。軍事費が削減されるのは軍需産業にとっては致命的で、パネッタ前国防長官は『米軍の能力や抑止力に壊滅的な影響が出る』と発言している。アメリカは、世界一の軍事力を維持すると決めていたのに、これが下がってしまう。だから、『自衛隊に米軍の肩代わりをさせよう』というのがアメリカの戦略」

 その上で、「これは第三次アーミテージレポートにも載っている。原発再稼働しろ、TPPに加盟しろ、集団的自衛権の行使を可能にしろ、そして秘密保護の強化をしろ――安倍政権がやっていることは、このレポートにすべて書いてある」と指摘。憲法改正が思うように進まなかった米国は、憲法の解釈を変えることで、米軍の要求に応えようとした、との見解を示した。

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