大飯原発敷地内を南北にのびるF-6破砕帯が、活断層であるか否かが調査の争点だ。F-6破砕帯が活断層であると判断されれば、大飯原発3・4号機は停止せざるを得ない。
27日から28日の2日間にわたり、原子力規制委員会の有識者らが、福井県おおい町の大飯原子力発電所で現地調査を行なった。調査に参加したのは、島﨑邦彦氏(原子力規制委員会 委員長代理)
、渡辺満久氏(東洋大学 社会学部教授)、廣内大助氏(信州大学 教育学部准教授)
の三人。岡田篤正氏(立命館大学グローバル・イノベーション研究機構(歴史都市防災研究センター)教授)と重松紀生氏(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター 地震素過程研究チーム 主任研究員)は、予定が合わなかったため、後日調査へ出向く予定だ。
- 9:30~ あいさつ、南側トレンチ状況説明(研修館2階中ホール)
- 10:40~ 南側トレンチ全景確認(南側トレンチ)
- 11:10~ ボーリングコア確認(放水口付近)
- 13:00~ テフラ分析結果のデータ確認(研修館2階中ホール)
- 13:40~ ボーリングコア確認(南側トレンチ付近)
- 14:45~ 南側トレンチ底盤、側壁確認(南側トレンチ)
関西電力は、規制委からの要請で、今年4月4日から6月23日の間、敷地内南側に長さ70メートル、幅50メートル、深さ40メートルのトレンチを新たに掘削した。この南側トレンチで発見された破砕帯の向きや傾き、活動センスが、山頂トレンチやボーリングコアの結果と一致したため、関西電力はこれをF-6破砕帯であると判断。有識者らは、二日間にわたり、ボーリングコアや、この南側トレンチを丹念に調査した。
争点となるF-6破砕帯は、大飯原発2号機と3号機の間を走り、なおかつ非常用取水路の直下を通っている。全長は、650メートル以上あり、発電所敷地外に及ぶ可能性もある。
南側トレンチには、「K-Tz」と「hpm1」と呼ばれる火山灰が堆積し、中でも火山灰「hpm1」は、約23万年前に降った火山灰であるとされており、F-6破砕帯の上部に位置している。関西電力は、この「hpm1」を含む層にずれがみられないため、F-6破砕帯は活断層ではないと主張。なお、新規制基準では、後期更新世(約12万年前~約13万年前)以降に活動性のあったものを活断層と定めている。
島崎委員長代理は、ぶら下がり会見で、「そもそも破砕帯が、トレンチ間をどう結んでいるのかが、一つのポイントである」と課題を挙げた一方、「詳しい知見については、今日はご勘弁願いたい。有識者会合で議論したい」と明言を避けた。
さらなる追加調査の有無や、有識者会合の開催などは未定であるが、有識者らがどのような判断を下すのかが、今後注目される。
破砕帯で思い出すのが映画『黒部の太陽』です。年配の皆さんは思い出してください、若い方は年配の皆さんに話を聴いてください。