2021年8月5日(木)、午後3時30分より、東京都庁第1庁舎正面玄関前にて、都教委包囲・首都圏ネットワークの呼びかけにより、「パラリンピックに子どもを動員するな 都教委要請行動」が行なわれた。
都教委包囲・首都圏ネットワークは、東京都教育委員会(以後、「都教委」)が進めている東京五輪への「学校連携観戦」に代表される「オリ・パラ教育」が、子どもたちに対する一方的な価値の押しつけであり、多くの問題点を隠蔽し、多様な角度からの検証を怠っているとして、6月23日、「危険な東京五輪への小中高校生の動員は即刻中止すべきである」として、都教委に対し、4つの質問を付した「申し入れ書」を提出した。
- 6/23に 都教委に出した申し入れ書(都教委包囲・首都圏ネットワーク)
その申し入れ書への都教委からの回答は、「オリ・パラ教育は、東京2020大会を、子どもたちの人生にとってまたとない重要な機会と捉え、子どもたちの心と体に、大会以降の人生の糧となるような掛け替えのないレガシーを残す」云々といったフレーズを繰り返すだけのものであり、7月8日にオリンピックの「無観客」開催が決定され、首都圏の子どもたちの「オリンピック観戦」はなくなったものの、パラリンピックでは、予定どおり「子どもたちの動員」はやる、という姿勢が全面に出たものであった。
- 都教委は6/23の質問に7/19に回答してきた。ひどい内容だ。(都教委包囲・首都圏ネットワーク)
そこで、都教委の回答に対する抗議、そして、パラリンピックへの子どもたちの動員に反対するため、このたびの都教委への要請行動となったわけである。
都教委包囲首都圏ネットワークの渡部氏は、冒頭のあいさつで次のように訴えた。
渡部氏「オリンピック開催中のコロナ感染は急速に増加しています。昨日(8/4)は東京で4,166人。全国ではなんと、14,207人です。専門家会議では、『これまでに経験したことのない、感染拡大が継続している』としました。すでに医療崩壊の状況になっていると言っても過言ではありません。
たくさんの自宅療養者が出ています。それなのに政府は入院制限を打ち出しました。多くの病人を見殺しにするものです。また、緊急事態宣言も、パラリンピックの開催日を含む、8月31日まで延期されることになりました。
こうした状況のもとで、これ以上オリンピックを続ければ、大規模な医療崩壊が起きてくるだろうと思います。
また、それでもなお、パラリンピックを開催することになれば、その被害はどれだけ大きくなるかわかりません。(ここからシュプレヒコール)
コロナ感染を拡大させる東京五輪は、即刻、中止しろ!
パラリンピックも即刻中止しろ! 子どもたちのパラリンピックへの動員は即刻中止しろ!
オリパラよりも命が大事だ! オリパラを即刻中止して、コロナ感染対策に万全を尽くせ!」
このあと、場所を、都庁第1庁舎正門前から都庁第2庁舎に移し、都教委への要請文の手交となった。
都教委包囲首都圏ネットワークの渡部氏が都教委の担当官に要請文を読み上げ、手交。それに対して、都教委担当官は「今、お話を受けましたので、ひとつは、『前回の回答が不誠実だ』というお話がありました。それに対する質問。そして、『パラリンピックの連携観戦』。今、お話にありましたけど、即時中止をすべきだと。これに対し、誠実に回答します」とし、回答期限については「通常2週間程度頂いているのですが、皆さまからの『誠実に』、そして『迅速に』というご要望もあわせて、対応させていただきます」と述べた。
今回の要請行動に参加していた都教委包囲・首都圏ネットワークの伏見氏によると、「普通の行政は、担当者のところへ行って、直接、質問することができる。例えば、文科省であれば、教科書の担当者とか。そこで、(相手側と)掛け合いが出来る。だけど、東京都の教育委員会は、門番みたいに『教育情報課』というのがいて、シャットアウトする。つまり、フィルターになっている。だから、直接何もできない。誰が回答を書いているかもわからない」とのことであった。
この要請行動の一部始終については、全編動画にてご確認いただきたい。