2021年6月29日、東京都千代田区の衆議院本館で、野党議員による第1回「経産省家賃支援給付金詐欺実態 野党合同ヒアリング」が行われた。
このヒアリングは、経済産業省の20代のキャリア官僚2名が共謀して、新型コロナ禍で収入が減少した中小企業を装い、国の家賃支援給付金約550万円を詐取したとして6月25日に逮捕された事件に対するもの。
冒頭、出席した3人の経産省官僚を代表して、藤本武士・経済産業省審議官が「高い倫理観を持つべき国家公務員たる当省職員が、このような案件を起こしましたこと、誠に遺憾に思っております」「(国会議員の)先生方、それから国民の皆さまに深くお詫びを申し上げます」と述べ、陳謝した。
日本共産党の笠井亮衆議院議員は、大田区で、区から工場を借りて事業を行っている事業者が「家賃が払えないということで、家賃給付金を申請したが、不給付になった」という事例をあげ、「使途を疑われた事業者はいっぱいいる。そういう方々にとって(この事件は)ひどいとあきれるどころか、怒り心頭といった事態だ」と批判した。
笠井議員はさらに「(給付金制度の)不正、だまし取りが、元締めの経産省キャリアから出てきたということで、(梶山弘志)大臣は『あるまじき行為』と言っているが、たまたま不届きなやからがいて、こんなことが起こったでは済まされない」と、大臣の監督責任を追及する構えを見せた。
その上で笠井議員は「経産省として、この制度(家賃支援給付金)の検証を徹底的にやるのか?」「事業実態について個々の実態を直接見なさい。それでちゃんと審査するようにと言ってきたが、それをやらなかった」と、経産省による支援制度の運用方法に問題があることを指摘し、「そういう制度の決定的な一番の弱点を熟知しているからこそ(その弱点を)突いた、というのがこの二人の事件だ」と語った。