2021年6月18日、東京都千代田区の日本外国特派員協会(FCCJ)で、菅原一秀元経済産業大臣の議員秘書、村磯高志(仮名)氏と弁護士の郷原信郎氏による記者会見が行われた。
菅原氏は、第4次安倍第2次改造内閣で経済産業大臣をつとめた、東京が選挙区の自民党衆議院議員だった。
菅原元経産相は、2018年4月から19年10月にかけ、選挙区内の団体と個人に対して香典、枕花や祝儀、祝花を提供して、総額約80万円を違法に寄付したとされたが、東京地検特捜部はこれを「起訴猶予」処分とした。菅原氏は、捜査の過程で、「違法行為は秘書がやったこと」と述べて、責任転嫁を続けてきた。
これに対し、郷原弁護士は検察審査会に申し立てを行い、2021年3月、「起訴するのが相当」との議決を得た。特捜部は議決を受けて再捜査を行い「略式起訴」とした。これを受け、菅原元経産相は議員を辞職し、現在に至っている。
菅原元経産相が処分された略式起訴は、書面審理で罰金などを求める簡易的な手続きで、簡裁が「不相当」と判断しない限り公開の正式裁判は開かれない。
村磯氏は2018年12月から2020年3月まで3年3か月の間、菅原氏の秘書として仕事をしてきた。
会見で村磯氏は「約3年間菅原氏の秘書としてやってきたが、その間、数々の違法行為を強要されてきた」と述べ、「菅原事務所は菅原氏の言うことは絶対の事務所で、菅原氏の指示で違法行為が常態化していた」と明らかにした。