2020年5月29日（金）午後3時より、東京都千代田区永田町の衆議院本館にて、持続化給付金の遅滞に関する野党合同ヒアリングが開催された。省庁側からは、経済産業省、および財務省の職員が出席し、野党議員との質疑応答が行われた。

　冒頭、原口一博衆議院議員からのあいさつがあった。

「経産省、財務省からご出席いただき、今日は本当にありがとうございます。日々、懸命に頑張っていただいていると思います。ただ、一方で、持続化給付金については、やはり、待ったなしの状況でございますので、現状を教えていただき、第二次補正（予算）のところでですね、政府与野党の協議会で議論をしております。第二次補正の中にもいろいろな形で入れていただいて、感謝しております。今日は短い時間ですが、有意義な意見交換をできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。」

　中小企業庁のHPによると、持続化給付金とは、新型コロナウイルス感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧として、事業全般に広く使用できる給付金であり、中小法人であれば200万円、フリーランスを含む個人事業者等の場合は100万円を超えない範囲で給付されるものである。

　続いて、河内博史衆議院議員から、以下の報告があった。

「持続化給付金という制度自体はみんなが頼りにしており、本当に、藁にもすがるような思いで、この給付金の申請をしていらっしゃるみなさんがすでに百数十万社にのぼるというふうに聞いています。おそらく、すでに50 万件くらいが給付をされていらっしゃるのではないかと予想します。

　他方で、初日の申請をしたけれども、まったく連絡がない中で、『どうなっているんだろう？』という大変な不安の中、月末の今日という日を迎えている方もいるだろうと思います。私は、昨日、あるテニスショップを経営されている方から連絡をいただきました。

　1000番台の申請番号で、初日に申請をされたそうで、その後、まったく何の連絡もなく、明日、つまり、今日をどうしようかと、夜中も眠れなかったと。そして、あまりにも眠れないので、申請したマイ・ページを確認して、もしかしてと思い、コンビニに行って残高をみたら、振り込まれていたということで、早朝に、狂気乱舞して、うちの事務所に電話で連絡がありました。

　この給付金にかかる事務においては、適正かつ公正に、税金が使用されているかについては、しっかり検証されなければならないと考えております」

　次いで、経産省と財務省の担当者より、現在の持続化給付金の給付状況についての説明、および、その事務を委託している団体の入札について、 また、委託された団体が行う再委託等について、現状の説明が行われた。

　説明によると、持続化給付金事務事業の予算額として、776億円が計上されている。ちなみに、給付金の総額は2.3兆円となっており、このたびの予算額が総額に占める割合は3.3％となる。また、本事業について一般競争入札を実施した結果、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が受注することとなり、その契約金が約769億円。そこからの再委託先が株式会社電通であり、再委託契約の金額は749億円となっている。

　この一般社団法人サービスデザイン推進協議会については、実体がはっきりせず、電話番号なども公表されていない。また、川内議員はサービスデザイン推進協議会の所在地を実際に訪れたが、「リモートワーク中」の貼紙があり誰もいなかったとのことである。

　以下、川内議員の5月24日の実際のツイート内容を紹介する。

「持続化給付金の事務委託団体『サービスデザイン推進協議会』事務費を落札率99%約780億で受注。電通、パソナ、トランスコスモスの3社で設立。事務は、ほぼ丸投げで電通に再委託。団体の所在地に行ったが、リモートワークの貼紙があり誰もいない。皆は必死で申請しているのに」

　このツイートは、弊社代表・岩上安身もリツイートしている。

　この点について、山井和則衆議院議員は、「事務所に誰もいなかった理由が、ちょうどみんな出払っていたとのことだが、このいちばん重要な時期に、訪問しても誰もいないし、電話しても誰も出ないというのはちょっと異常だと思う」とし、「この団体は実体がないのではないか」との疑念を顕わにした。

• 持続化給付金の事務委託団体「サービスデザイン推進協議会」の問題等について、経済産業省、財務省よりヒアリング

• タイトル 野党合同国対ヒアリング ―内容：持続化給付金の遅滞について、経済産業省、財務省より
• 日時 2020年5月29日（金）15:00〜
• 場所 衆議院本館（東京都千代田区）