豊洲市場の営業開始日である10月11日から、築地市場営業権組合の呼び掛けで続いている築地市場解体に対するアクションイベント「場内お買い物ツアー」が、2018年10月20日(土)も13時より行われた。売り出された鮭フレークと出汁昆布はあっという間に完売。営業権組合共同代表の村木智義氏は「今日は短い時間ですが、これで終了です。私たちは自分たちが正当だという強い自負を持っています。相手が東京都であろうと何であろうと、戦うことは止めない所存です。皆さんのご支援がある限り戦いは続きます」と挨拶し、「場内お買い物ツアー」を締めくくった。
お買い物ツアー終了後、販売スペースで、小説家の中沢けい氏にお話をうかがった。
「私は、3年くらい前に、豊洲の床には海水を撒けないって、事業者の声を聞いて設計してないじゃないかって驚いた。それが最初。それで、いざ豊洲に引っ越したら今度は茶屋がないって、ええっ!ていう話です。私はウチが釣り船屋なんですが、お魚は真水で洗っちゃだめなのよって小さい頃から言われてたんで、塩水が出ないって聞いた瞬間にこれはおかしいだろって思ったんです」
中沢氏の話を聞いていた女性は、「改正された卸売市場法は仲卸の淘汰を狙っている。面倒くさい仲卸を取っ払って、直接消費者とやりたがっている。とにかく安ければいいということ」と、仲卸業者が直面している問題を指摘。中沢氏も「日本は北海道から沖縄まで南北に長い。だから魚の種類が多いんです。安定供給できる養殖物なら仲卸なしでもいいんだけど、いつどこで何がとれるかわからないって国だから、仲卸さんが需給の調整機能を担ってきたんです」と、一般にはあまり知られていない、仲卸業者が担ってきた役割について説明した。
卸売業者を排除することが、巨大流通資本が魚の売買を独占することが、当初からの隠された狙いだったのだろうか。そうであったにしても、あまりにも豊洲市場はお粗末過ぎる。
IWJは豊洲開場の10月11日より、築地市場の「場内お買い物ツアー」への同行取材をおこなってきた。また、豊洲市場移転問題についても、様々な角度から取材を重ねてきている。下記記事を、ぜひご覧いただきたい。
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